USEN宇野氏の事例は
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☆ 事業アイデアの見極め ~USEN宇野氏の事例は?~
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「この事業で起業をしたい!」という方のなかで、「これをやりたい」
という思いが強いだけで、
・土地勘のない業界でのビジネスを考えていたり、
・収益モデルが全然考えられていなかったり、
・顧客の姿が見えていなかったり、
という事業を考えられている方も少なくありません。
やはり、事業を成功へと導くには、
この事業をやりたい → 実現可能か『仮説』をつくり
(主体者の視点)
本当にできるか → 実現可能性を『検証』する
(第三者の視点)
というプロセスが必要となってくるのです。
そこで今回は事業アイデアを見極める『検証』に焦点をあて
考えていきたいと思います。
☆事例として、
USENの宇野氏はどのように事業アイデアを見極めたのか!?
を見ていきます。
ご存知のように、
USENの宇野氏がライブドアとの業務提携を発表し、フジテレビの
所有する株式も個人で買い取ると発表しました。
(この詳細はニュースなどに譲るとして。。)
現在、大きな注目を集めた宇野氏ですが、もともと人材紹介の
インテリジェンスを立ち上げ、その後家業のUSENへと移り、両社
とも上場させた経験をもつ経営者です。
氏はこれまで様々な経営課題はありながら所有する経営資源から
実現可能性を考え、事業アイデアを見極めて事業を成功へと
導いてきました。
そこで、今回は、氏が大学を出て数年後、大学時代の仲間とともに
創業した人材紹介会社インテリジェンスを立ち上げた際、
“事業アイデアをどのように見極め、絞り込んだのか”
という点にフォーカスして、見ていきたいと思います。
─────────────────────────
宇野氏の事業アイデア見極め、6つのポイント!!
─────────────────────────
インテリジェンスをはじめる際6つポイントを念頭において
考えられたそうです。
◇実現の可能性
◇収益性
◇将来性
◇危険性(リスク)
◇社会性
◇吸収性
以下、それぞれの観点より創業時の事業について見て行きたいと
思います。
【創業時の事業アイデア】
インテリジェンスは
「採用する企業の側に立って採用業務を支援する会社」
という事業アイデアを考え最初の事業とすることを決めました。
新卒者の採用というテーマ自体はリクルートと重なっていますが、
ビジネスの形態、ビジネスモデルとしてはリクルートと異なる仕組み
からの参入でした。リクルート社は、国内最大規模の新卒者募集の
広告代理業というポジションにあり、広告料で利益を上げる
ビジネスモデルをとっていました。したがって、競合とは考えない。
それに対して、インテリジェンス社は、人事部の採用活動全体に
関して企画コンサルティング、業務代行サービスを提供するという
発想で差別化したのです。
☆宇野氏、創業メンバーは前述の6つのポイントにしたがって
この採用業務代行事業を評価した。
◇実現の可能性
資本金1000万円のうち、約800万円はすでに事務所の造作と備品で
消えていました。銀行から借り入れが出来るはずもなく、残る
200万円でできるビジネスを考えました。この事業は設備投資が
いらず、短期間で黒字になるビジネス。採用に関するコンサル
なら発想と知識さえあればすぐに収益に結びつきます。
投資した設備は2台のワープロだけでした。
◇収益性
これは商品やサービスの価値の高さで決まります。
提供する商品やサービスが顧客にとって価値のあるものであれば、
原価に対して大きな利益を設定して販売できます。しかし、
顧客が価値を見出せないものであれば、価格そのもので競争する
しかありません。安く大量に販売するしかありませんが、それは
スケールメリットのないベンチャー企業には不可能です。
したがって、できるだけ高い価値のあるものを顧客に提供して
いかなくてはなりません。
株式会社インテリジェンスの顧客である企業にとって、優秀な人材の
確保は最も重大な課題であるはずです。この課題を解決するサービス
が提供できれば、顧客にとって最も価値の高いサービスとなるのでは
ないか。これで収益性はクリアできると考えました。
◇将来性
一時的に利益を生んでも、将来の成長が見込めなければ会社そのもの
の成長もなくなる。人材の採用は、企業にとって永遠の課題です。
当時、人材の需要と供給のバランスは供給過多といわれていましたが、
出生率の低下に起因する若年人口の激減により、21世紀の始めには
この需給バランスは大きく崩れ、社員の平均年齢の高齢化が進むことに
なります。その時代にならば、企業にとって新規採用、能力開発が
大きな経営課題になることは目に見えており、将来性も大きいと
考えました。
◇危険性
「失敗を恐れるな」とよく言われるますが、宇野氏は
「失敗は恐れるべきもの」だと思っています。事業が失敗したときの
投資金額と人的パワーの投入によるダメージの大きさ、失敗する
可能性の大きさは問題となりますが、この事業には投資もしていない
ので、リスクも少ないことになります。
◇社会性
「事業とは、世の中に残るものを作り上げることであり、金儲けではない」
「社会に対して意義のあるサービスを行い、それに相応しい利益を得て、
その利益でさらに社会に役立つサービスを進化させる」
これが事業の目的だと宇野氏は考えています。採用企画の事業は、
企業の活動を人的面からサポートし、それにより顧客である企業の
成長を助けるという社会性があります。また、この活動は企業と
学生との橋渡しであり、就職活動する学生にとっても役に立つ事業で
あるといえ、企業成長による経済発展への寄与というとらえ方も
できる社会性の高い事業といえます。
◇吸収性
事業をスタートさせて1年ほどたってからこのビジネスが非常に
吸収性の高いものであることを発見しました。1年間で300社以上の
採用計画を提案したが、その3倍の数の企業を訪問し、人事担当者と
話し合っています。新興の急成長企業もあれば、財閥系の大手もあり、
業種も様々です。それらの企業の経営理念、組織の形態、事業内容、
働く人の価値観までを深く理解しなくては、採用計画は提案できません。
社員は1年で、企業の強み弱みがわかり、企業戦略が分析できるように
なっていました。ビジネスの中で社員一人一人の能力が飛躍的向上し、
それはもちろん会社の総合力を高めることになったのです。
成功する事業はこれほど綿密に検証された結果なされるのです。
◎ここで、皆さんに以下の点について考えてほしいと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・あなたの事業アイデアを選定する基準はなんですか?
それに当てはめてアイデアを検証してみてください。
・例えば、あなたの事業アイデアは上記、6つのポイントに
適合するものですか?
・今回のライブドアとの提携について、USENの決断は
上記6つのポイントに適合するものですか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自分で事業を立ち上げる際の指針、また思考の訓練として
実際の事例を用いて考えることは大変有益なものです。
ぜひ時間をとって考えてみてください。
★最後に、宇野氏講義録より抜粋(98年6月18日、今から8年前)から
私はビジネスアイデアを考える天才じゃないかと思えるぐらいの
アイデアマンだった。高校の頃から、これはビジネスになるんじゃないか、
と思えるものをノートに溜め込んで、200~300はストックがあった。
でも、自分のビジネスのアイディアになると全くでなかった。
幾晩も考えるうちに本当に革新的に会社を大きくしていくのは、
アイデアじゃないんじゃないのか、と感じたんじゃないかと思うんです。
今社会に、世の中に求められているものは何なのか、アイデア
とか発想とか、思想とか、そういうものじゃなくて、もっと冷静に
普通に考えればいいんじゃないかと思ったわけです。
そのベースから考え直そうと立ち戻ったわけです。そこから
インテリジェンスのビジネスモデルは出てきたんです。。。
▼インテリジェンスの講義が視聴できます!(60分) ▼ ▼
人材ビジネスを考えている方は必聴!
http://www.kigyo-sanbo.com/
上記サイト:創業者列伝⇒人材紹介系のTOPからどうぞ!
この文章は大前研一のアタッカーズ・ビジネススクールが発行するメルマガ【情熱DNA】(まぐまぐ殿堂入り)にて配信した内容です。ご登録いただければ毎週水曜日、お手元に届きます。こちらから
☆ 事業アイデアの見極め ~USEN宇野氏の事例は?~
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「この事業で起業をしたい!」という方のなかで、「これをやりたい」
という思いが強いだけで、
・土地勘のない業界でのビジネスを考えていたり、
・収益モデルが全然考えられていなかったり、
・顧客の姿が見えていなかったり、
という事業を考えられている方も少なくありません。
やはり、事業を成功へと導くには、
この事業をやりたい → 実現可能か『仮説』をつくり
(主体者の視点)
本当にできるか → 実現可能性を『検証』する
(第三者の視点)
というプロセスが必要となってくるのです。
そこで今回は事業アイデアを見極める『検証』に焦点をあて
考えていきたいと思います。
☆事例として、
USENの宇野氏はどのように事業アイデアを見極めたのか!?
を見ていきます。
ご存知のように、
USENの宇野氏がライブドアとの業務提携を発表し、フジテレビの
所有する株式も個人で買い取ると発表しました。
(この詳細はニュースなどに譲るとして。。)
現在、大きな注目を集めた宇野氏ですが、もともと人材紹介の
インテリジェンスを立ち上げ、その後家業のUSENへと移り、両社
とも上場させた経験をもつ経営者です。
氏はこれまで様々な経営課題はありながら所有する経営資源から
実現可能性を考え、事業アイデアを見極めて事業を成功へと
導いてきました。
そこで、今回は、氏が大学を出て数年後、大学時代の仲間とともに
創業した人材紹介会社インテリジェンスを立ち上げた際、
“事業アイデアをどのように見極め、絞り込んだのか”
という点にフォーカスして、見ていきたいと思います。
─────────────────────────
宇野氏の事業アイデア見極め、6つのポイント!!
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インテリジェンスをはじめる際6つポイントを念頭において
考えられたそうです。
◇実現の可能性
◇収益性
◇将来性
◇危険性(リスク)
◇社会性
◇吸収性
以下、それぞれの観点より創業時の事業について見て行きたいと
思います。
【創業時の事業アイデア】
インテリジェンスは
「採用する企業の側に立って採用業務を支援する会社」
という事業アイデアを考え最初の事業とすることを決めました。
新卒者の採用というテーマ自体はリクルートと重なっていますが、
ビジネスの形態、ビジネスモデルとしてはリクルートと異なる仕組み
からの参入でした。リクルート社は、国内最大規模の新卒者募集の
広告代理業というポジションにあり、広告料で利益を上げる
ビジネスモデルをとっていました。したがって、競合とは考えない。
それに対して、インテリジェンス社は、人事部の採用活動全体に
関して企画コンサルティング、業務代行サービスを提供するという
発想で差別化したのです。
☆宇野氏、創業メンバーは前述の6つのポイントにしたがって
この採用業務代行事業を評価した。
◇実現の可能性
資本金1000万円のうち、約800万円はすでに事務所の造作と備品で
消えていました。銀行から借り入れが出来るはずもなく、残る
200万円でできるビジネスを考えました。この事業は設備投資が
いらず、短期間で黒字になるビジネス。採用に関するコンサル
なら発想と知識さえあればすぐに収益に結びつきます。
投資した設備は2台のワープロだけでした。
◇収益性
これは商品やサービスの価値の高さで決まります。
提供する商品やサービスが顧客にとって価値のあるものであれば、
原価に対して大きな利益を設定して販売できます。しかし、
顧客が価値を見出せないものであれば、価格そのもので競争する
しかありません。安く大量に販売するしかありませんが、それは
スケールメリットのないベンチャー企業には不可能です。
したがって、できるだけ高い価値のあるものを顧客に提供して
いかなくてはなりません。
株式会社インテリジェンスの顧客である企業にとって、優秀な人材の
確保は最も重大な課題であるはずです。この課題を解決するサービス
が提供できれば、顧客にとって最も価値の高いサービスとなるのでは
ないか。これで収益性はクリアできると考えました。
◇将来性
一時的に利益を生んでも、将来の成長が見込めなければ会社そのもの
の成長もなくなる。人材の採用は、企業にとって永遠の課題です。
当時、人材の需要と供給のバランスは供給過多といわれていましたが、
出生率の低下に起因する若年人口の激減により、21世紀の始めには
この需給バランスは大きく崩れ、社員の平均年齢の高齢化が進むことに
なります。その時代にならば、企業にとって新規採用、能力開発が
大きな経営課題になることは目に見えており、将来性も大きいと
考えました。
◇危険性
「失敗を恐れるな」とよく言われるますが、宇野氏は
「失敗は恐れるべきもの」だと思っています。事業が失敗したときの
投資金額と人的パワーの投入によるダメージの大きさ、失敗する
可能性の大きさは問題となりますが、この事業には投資もしていない
ので、リスクも少ないことになります。
◇社会性
「事業とは、世の中に残るものを作り上げることであり、金儲けではない」
「社会に対して意義のあるサービスを行い、それに相応しい利益を得て、
その利益でさらに社会に役立つサービスを進化させる」
これが事業の目的だと宇野氏は考えています。採用企画の事業は、
企業の活動を人的面からサポートし、それにより顧客である企業の
成長を助けるという社会性があります。また、この活動は企業と
学生との橋渡しであり、就職活動する学生にとっても役に立つ事業で
あるといえ、企業成長による経済発展への寄与というとらえ方も
できる社会性の高い事業といえます。
◇吸収性
事業をスタートさせて1年ほどたってからこのビジネスが非常に
吸収性の高いものであることを発見しました。1年間で300社以上の
採用計画を提案したが、その3倍の数の企業を訪問し、人事担当者と
話し合っています。新興の急成長企業もあれば、財閥系の大手もあり、
業種も様々です。それらの企業の経営理念、組織の形態、事業内容、
働く人の価値観までを深く理解しなくては、採用計画は提案できません。
社員は1年で、企業の強み弱みがわかり、企業戦略が分析できるように
なっていました。ビジネスの中で社員一人一人の能力が飛躍的向上し、
それはもちろん会社の総合力を高めることになったのです。
成功する事業はこれほど綿密に検証された結果なされるのです。
◎ここで、皆さんに以下の点について考えてほしいと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・あなたの事業アイデアを選定する基準はなんですか?
それに当てはめてアイデアを検証してみてください。
・例えば、あなたの事業アイデアは上記、6つのポイントに
適合するものですか?
・今回のライブドアとの提携について、USENの決断は
上記6つのポイントに適合するものですか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自分で事業を立ち上げる際の指針、また思考の訓練として
実際の事例を用いて考えることは大変有益なものです。
ぜひ時間をとって考えてみてください。
★最後に、宇野氏講義録より抜粋(98年6月18日、今から8年前)から
私はビジネスアイデアを考える天才じゃないかと思えるぐらいの
アイデアマンだった。高校の頃から、これはビジネスになるんじゃないか、
と思えるものをノートに溜め込んで、200~300はストックがあった。
でも、自分のビジネスのアイディアになると全くでなかった。
幾晩も考えるうちに本当に革新的に会社を大きくしていくのは、
アイデアじゃないんじゃないのか、と感じたんじゃないかと思うんです。
今社会に、世の中に求められているものは何なのか、アイデア
とか発想とか、思想とか、そういうものじゃなくて、もっと冷静に
普通に考えればいいんじゃないかと思ったわけです。
そのベースから考え直そうと立ち戻ったわけです。そこから
インテリジェンスのビジネスモデルは出てきたんです。。。
▼インテリジェンスの講義が視聴できます!(60分) ▼ ▼
人材ビジネスを考えている方は必聴!
http://www.kigyo-sanbo.com/
上記サイト:創業者列伝⇒人材紹介系のTOPからどうぞ!
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