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これからのリーダーが国民に説くべき「世界ビジョン」-後編

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『これからのリーダーが国民に説くべき「世界ビジョン」-後編』 

※本内容はSAPIO(2011年11月16日号)に掲載されたものを
 特別編集しました。内容の転記等はご遠慮ください。
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――少子化でも世界トップクラス経済を維持
  「移民&投資先進国」シンガポールに学べ

前回はサイバー社会の出現と産業のデジタル化によって、
北の先進国が低迷する一方で南の途上国から経済成長する新興国が
次々に登場して「南北関係」が逆転し始めている。
そういう歴史的転換期の中で日本は「失われた20年」から脱却できず、
返済のメドが立たない国債を発行し続けている。
このままいくと、国債のデフォルト(債務不履行)とハイパーインフレだ
と指摘した。

さらにもう一つ、日本経済にとって極めてシリアスな未来予想がある。
少子高齢化で2055年の日本は、最も人口の多い年齢が
男女とも80歳を超えると予想されている。
15~64歳の「生産年齢人口」、すなわち「働く人」は、
当の昔にピークアウトし、これから減少する一方だ。
このままでは日本は国力が著しく低下し、社会の安全・安心も
大きく損なわれるのは間違いない。
少子高齢化による破局の危機が、刻一刻と日本に迫っているのだ。

こうした危機を回避するために、2つのことをする。
移民政策と「産めよ増やせよ」政策である。
しかし日本の場合、移民政策に対しては世論の反発が大きい。
だが、移民=危険&治安悪化というのは一面的な見方にすぎない。

参考にするのは"移民先進国"シンガポールの例だ。
日本よりも早く少子化が進んだシンガポールは早々に移民政策を導入し、
人口を300万人台から約500万人に増やしてきたが、
治安は全く悪化していない。
移民の受け入れに際して、
学歴に加え、シンガポールに不足しているスキルや
シンガポールの将来に必要な資格を持っていることを条件にしたからだ。

しかも、世界トップクラスの人材については、
シンガポール政府が自らスカウトしている。
世界中から優秀な人材を集める移民政策によって、
シンガポールは合計特殊出生率が1.28(08年)で
日本の1.37(09年)より低いにもかかわらず、人口を増やしたうえで、
高い1人当たりのGDPを維持しているのだ。

仮に「産めよ増やせよ」政策が功を労して出生率が上向いたとしても、
生まれた子供たちが国力に寄与するまでにははない。
ざっと20年かかる。
また、フランスやデンマークのように「戸籍制度」を問わないと
戸籍制度がなくなり、
日本的な家族の絆が崩壊するというような拒否反応が強いのであれば、
シンガポール型の「必要としている人材をリクルートしてくる移民政策」
を取るしかない。

将来人口推計の反転は、日本のリーダーにとって最も緊急性を要する。
何よりも優先して取り組まねばならない課題である。
ところが、政府は無為無策のうえ、1000兆円近い借金を抱えながら
さらに国債を増発して(働き手が激減する)次世代にツケを回している。
このままだと一体どうなるか?選択肢は2つしかない。

1つは「デフォルト」だ。
マックス・ウェーバーが言うところの「暴力装置」である国家は、
デフォルトに伴うハイパーインフレというかたちで
国民からカネを巻き上げる。
実際、ロシアでは1998年、デフォルトごのハイパーインフレで
通貨ルーブルの価値が100分の1になった。
そのとき最も困窮したのは年金生活者だ。
給料は物価にスライドしてそれなりに上がるが、
年金は支給額が変わらないので価値は100分の1になってしまう。

もう1つの選択肢は「増税」である。
毎年1%ずつ上げて25%まで持っていかなねばならない。
デフォルトでハイパーインフレを起こしてチャラにするか、
増税して国民の税金で返すかの二者択一を迫られるということだ。

ところが、消費税25%への増税を打ち出したら、政権が持つわけはない。
つまり、今のリーダーは、真実を語ったらリーダーではいられない。
だから増税に踏み切れないのである。
やりたくなくても必要なことはやらねばならない。
リーダーの役割とは、そういうものなのだ。

デフォルトか増税かの選択をしたとしても、
もはや "超老齢国家"の日本に繁栄の方程式は描けない。
年金ファンドなどを高成長している海外に投資して、
そのリターンで食べていくしかないだろう。
いずれ日本も、首相より年金ファンドのマネージャーの方が偉い、
という時代が到来するかもしれない。

                          【本編 終わり】
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