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【4】『 大前研一特別講義 (5月23日) 「講義録(前編)」

~ いつも以上に熱かった大前講義!いち早く講義録をご紹介します! 

  ※5月23日(日)アタッカーズ・ビジネススクールで開催された講義の内容を
   抜粋したものです。複写・転用はご遠慮ください。
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鳩山総理が辞任され、さらに混乱を増すであろう日本経済。
5月23日に開催された大前研一塾長の鬼気迫る講義は、 
まるでこのことを予測していたようでした。

大前研一特別講義の様子を、2回に分けてレポートいたします。
今回お伝えする前編は、今生きている環境を認識すること、
そして日本が抱える問題や世界の動向についての内容になります。

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■お金の流れの変化を理解する

世界に目を向けると、アメリカ、EU、中国、新興国と名目GDPは伸びている。
他方、日本だけが先進国の中でこの15年程成長が止まっていおり、
今後も大きな成長も見込むことが出来ないのが現状である。
このままでは日本の先は暗いということをまずは認識すべきだ。

名目GDPベースで見ると90年代、2000年代とアメリカはずっと右肩
上がりに成長している。そのアメリカをEUが2003年にすでに抜いてしまった。
日本が世界第2位の経済大国であるが、2010年は中国が日本を抜くことになる。

また、新興国全体という括りで見ると、2008年から新興国はEUを抜いている。
この理由は先進国の年お金、生命保険、預金等の不要不急のお金が、ファンド、
金融機関等を通じて新興国の市場(マーケット)に行くようになったためだ。
これは人類史上初めてで、成長産業がある国にお金が向かうことを示している。

日本を除いては、世界は成長の歩みを続けている。


ここで、新たに起きている2つ現象を把握しなければならない。
・金利、マネーサプライを変化させても通用しない
・新興国へお金が流れている

マクロ経済原論は、金利、マネーサプライを変えることにある。
しかし今の日本には通用していない、お金利ゼロにしても、マネーサプライを
ジャブジャブに供給しても、企業は利用しない、もしくはできない。
まさに銀行の役割が無くなってしまった。

また、20世紀は先進国が新興国を救済するため善意により税金を投入し、
ODAという形で、政府を通じてお金が流れていた。
しかし、ODAのお金は先進国の景気に左右されるため金額は不安定でかつ、
政府役人が都合良く政府に関連する企業だけにお金を流すため、
当該国の一般企業にお金が流れることはなかった。

ところがリーマンショック後、お金は、先進国の景気後退を後目に、
先進国から新興国に直接お金が流れるようになった。


■世界金融危機のなかの日本

現在、世界は金融危機のまっただなかで、いつ何が起きてもおかしくない状況にある。

まず、歴史から学ぶんでみる。
97-98年のアジア通過危機を見ると、タイ発で起きた通過危機は
周辺国、マレーシア、韓国、ロシアへと飛び火した。
その中でも、韓国が一番深刻な通貨危機が起きた。

ドバイショックが起きたとき、アブダビが救済して終わったが、
トレーダーの心理から、財政危機となっている国を見まわしたときに、
民主主義の発祥地で国力がないのに、年金・子供手当などの
お金のバラマキをやっているギリシャへ飛び火したのだ。

今、財政危機であげられているのが、
「PIGS」と呼ばれるポルトガル(P)、イタリア(I)、ギリシャ(G)、スペイン(S)がある。
「PIIGS」ではPIGSにアイルランド(I)を加えたもの、
「PIIGES」は、更にイングランド(E)を追加したもの。
そして、その先に見えるのがわが国日本だ。

日本には個人金融資産が約1400兆円、個人の負債が約400兆円ある。
つまり、ネットで約1000兆円の個人資産があることになる。これを生保、郵貯、
銀行に預けているが、ほぼすべて国債の購入に当てられている。

理論上国債発行額800兆、国民のお金融資産1000兆で、約200兆の
国債購入原資があるが、毎年50兆円の国債を発行したと仮定すると、
あと4年で購入原資がなくなってしまう。4年後に確実に危険くるとわかっていて、
いつまでも国債を保持している人はいないだろう。
つまり、いつ国債がデフォルトしてもおかしくないという状況である。

日本の財政状況は2007年に財政破綻した夕張市と同じである。
夕張市の1万倍が日本の状況である。破綻しないのは
輪転機(お金を刷る事ができるかどうか)を持っているか、持っていないか
の違いだけである。このような現状を見て、日本人は政府に出費をやめさせ、
税金を増やせ、と声を大にして言わなければならないのである。


■現在の日本三大問題

日本の三大問題は、少子化、高齢化、単身世帯の増加である。

▼「少子化が与える影響」
少子化で一人っ子が多くなっていることはは想像している以上に問題だ。
日本企業の戦後の一時期グローバル化が上手くいったのは、
親のことを考えずに行動できる、次男、三男が多かったのためだ。

家族から離れる人がいなくて、海外へ行く若者が少なくなっている。
バイオリズムが落ちた大きな理由は、安定志向の強まりによって
リスクテイカーが少なくなったためだ。

▼「高齢化が与える影響」
日本が最も景気が悪いとされた失われた15年間で、個人資産が
700兆円から1400兆円へと倍になった。
不景気に、資産が倍になる、そんな国は日本をおいて他にはない。 

全部がマーケットに出て行けば景気が回復しただろう。
また将来に不安を持つお年寄りが多く、目的もないまま、
「将来、いざというために」という漠然とした不安のために、 
お金を貯め込んでいった。

スウェーデンのように国が全部面倒をみると約束すれば、
誰も心配することないから、貯蓄ゼロで暮らしていけるのだ。

日本は誰も国を信用していないために三重投資している。
「貯金」「年金」「保険」と同じ目的でお金を貯め込んでいる人が多く、
景気が良くならないのだ。日本人は死ぬ時が一番お金持ちで、
平均3500万円を持って墓場に行く。

日本の平均年齢が50歳を超えると、企業の成長が見込めない。
高齢化で、しかも臥せてから5~10年は長生きすることがあるため、
社会的にコスト高となりる。若者、働き手が少なくなり、面倒を見なければ
いけない人が多いということで、バランスが崩れている。

さらに、若者が少ないために、警察・自衛隊・消防に携わる人さえ少なくなり、
国を守る力が弱くなっていく。


▼「単身世帯が及ぼす影響」
今の日本は、世帯構造の変化が起こっている。GMS、百貨店、ファミレスなど
多くの企業は20年以上の前と同じ世帯構成「ファミリー」をメインターゲットに
してきた。しかし今の日本最大の家族構成31.2%が単身世帯だ。
未婚、晩婚、熟年離婚、死別など、どの年代においても単身世帯が多い。

ファミリーレストランの売り上げが下がるのは当然で、
ファミリー世帯自体が少なくなっている。
コンビニが冷蔵庫変わりと言われ、贅沢したければデパ地下に行く。

一人で生活を営むことに何なら障壁はないが、
彼らにとってコミュニティは必要なものであろう。
いかに単身を消費にかりたてるのかは、これが事業チャンスになるだろう。
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