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【4】 『 アタッカーズ卒業生 福羽 泰紀さん 講義録 』 

『 アタッカーズ卒業生 福羽 泰紀さん 講義録 
   ~ 東証一部上場 株式会社マクロミル 取締役副社長  』 
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2月15日(月)に、ABSご出身の福羽泰紀さんが凱旋されました。
福羽さんは、2001年にABSの講座を受講され、
創業メンバーとして2005年4月に東証一部上場を果たされました。

その福羽さんにABS経営者講義の講師として、ビジネスに対する思いを
存分に語ってもらいました。
本日は皆さんにその時の講義録をお届けいたします。

また、今回作成してくれたのは、ABS@NETの幹事である中平さんです!
受講生目線からの講義録を、ぜひお楽しみください。

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■概要
今回の経営者講義講義は、福羽氏がマクロミル創立前に勤めていたリクルート時代の
経歴から始まり、マクロミルの立ち上げ、苦境の克服、成功要因の振り返り、
そして、今後の成長戦略という順にお話が進みました。

■リクルート時代
「研究者になりたい」という想いから大学では物理学を専攻しましたが、
実験室にこもることが性に合わないことに気づき、違う道を模索していました。
ちょうどそのころ、電電公社が民営化し情報通信が面白くなると考えていたところ、
リクルートもこの分野に参入するという情報を聞きつけ、リクルートに入社を希望しました。

リクルート入社後、最初に携わった業務は、電話事業の企画立案でした。
元々は出版社であるリクルートには当然電話事業のノウハウはありません。
「このやり方で本当にいいんだろうか?」と不安になりながらも、業務をこなす日々が続きました。。

やがて、会社がMBA留学制度を実施することになりました。体系的な仕事のやり方を
身につけたいと感じていた福羽さんはこれに応募し、アメリカでのMBAを取得します。
”ただでさえ生意気だったのが、アメリカ帰りで益々生意気になっていたんでしょうね。
『アメリカ野郎』と呼ばれていました(笑)”

帰国後の1995年、インターネットが日本でも広がりを見せていたころ、
電子メディア事業部に配属となります。インターネットの面白さに惹きこまれ、
「元々リクルートが持っているデータベースをインターネットに公開したら、
これはきっとモノになるんじゃないか」と仲間と議論しながら、
何かできないかと、暗中模索の日々を過ごしていました。

■マクロミルの立ち上げ
1999年にリクルートを退社し、広告の出稿料を調査する「スマートピーアール」を
まず立ち上げます。競合が広告にいくら使っているのかは直接わからないため、
順調に依頼が続き、1年で年商1億円に到達しました。五反田に事務所を構えており、
そこにリクルート時代の仲間が訪ねて来ては、何か面白いビジネスはないだろうかと
議論を積み重ねます。

当時、マーケティングリサーチの分野には既存の大手企業がいましたが、彼らは電話や、
郵送による調査票のやりとりによって、調査を行っていました。インターネットを使えば、
もっと安く、かつ短期間で調査できるはず。

また、インターネットを使った事業としては、ポータルならヤフー、Eコマースなら楽天が
既に立ち上がっており、どうせやるなら後追いではなく、新しい分野を開拓したいという
気持ちが強かったことから、ネットリサーチに焦点を絞り、
2000年に杉本氏(現代表取締役社長)らとマクロミルを創業します。

■苦境の克服
ネットリサーチを行うにはシステムが必要となります。そのためシステムを開発できる人も
メンバーに加えて開発に着手し、費用をまかなうため出資を募ります。
ちょうどITバブルの時期であり、IT企業の社長さんを訪ねまわり、快諾の返事をもらいます。

しかし、間もなくITバブルが崩壊し、彼らが実際に出資してくれることは
ほとんどありませんでした。開発は既に進んでおり、2000年8月のカットオーバーに
向かっています。支払いの目処は立っていません。必死にお願いした結果、
トランスコスモスに2億円を出資してもらうことができ、最初の危機を克服します。

ネットリサーチは、リサーチしたい企業が調査票を作り、それに対してモニターが
インターネットを通じて回答します。マクロミル創業当時のインターネット普及率は20%程度であり、
利用者の属性としては、コンピュータ好きな、ちょっとオタク気味かも...という懸念がありました。
こうした偏りがあると、リサーチ結果の信頼性が揺らいでしまいます。

業界には、マーケティングリサーチ協会という団体があり、既存の大手リサーチ会社が運営を
リードしており、マクロミルは目の敵にされていました。この分野の権威とされるある大学の先生が、
論文で「ネットを使ったリサーチなんて、バイアスがかかってまともなリサーチにはならない。
あんなのはリサーチもどきだ」と批判されました。

そのため、調査結果の信頼性に不安を持つ顧客も現れましたが、「いずれインターネットの
普及率はもっと上がるはず、そうすれば大衆の声を反映するものになるのは間違いない。」
動揺せずにひとつひとつ丁寧に説明していき、信頼を得ていきます。

もうひとつ、信頼性を下げる要因として、回答をして得られるポイントを稼ぐためになりすましたり、
適当に回答したりする行為があります。これらは、どうしても一定の割合で発生するため、
システムにこうした回答を発見するロジックを実装し、地道にそうしたモニターを排除し、
信頼性を保ち続けています。

■成功要因
マクロミルの成功要因は、「属人的なリサーチを究極まで効率化する」にあると、
何度も強調しておられました。これは創業当時から強く意識したものです。

従来のリサーチ業界は、人に依存した、受託請負型の産業であったのに対し、
マクロミルは装置産業化を目指しました。つまり、標準的な仕組みを導入すれば、
仕組みがうまく機能し、調査票の作成→配信→回答→集計・分析→レポート作成まで
一気通貫してやってくれ、なおかつ従来のリサーチより安く、早くできることにこだわり、
システムを構築しています。

このことは数字に良く現れており、経常利益率は26~30%(他社は5~8%)、
調査期間は1週間程度(他社は1~2ヶ月)、受注額は30~40万円(他社は1票1万円が相場で
300票ほど集めるため300万円程度)という、業界でも屈指の好成績です。
調査票への回答率も、他社が10%程度なのに対し50~60%とずば抜けています。

究極まで効率化するもうひとつの柱として、採用・育成を掲げています。
10年選手のリサーチ経験者を採用するとなると、800~1000万円かかるが、
うちは新卒を含めて未経験者を採用します。そして半年で1人前になれる教育プログラムを作っています。

「標準化とマクロ」が合言葉となっており、誰かの良いやり方、手順は積極的に共有することを
奨励しており、2年目からは気が付いたら後輩の指導をしているという風土ができています。
”かなり意識して普段から口うるさく共有するよう言っていますし、人事評価にも反映させています。
そうすると、だんだんみんなやるようになりますよ”

■他人に資本を入れてもらっているという緊張感
最初に立ち上げたスマートピーアールは、現在は福羽さんは直接業務には携わっておらず、
5名で経営されています。こちらは、将来を見越した投資という意味合いを持って、
他人の資本を入れずに、気の合う仲間と続ける場という認識でした。

一方でマクロミルでは、早くから上場を意識していました。他人に資本を入れてもらうと、
彼らに対する責任、具体的には投資に対するリターンを返すことが求められます。
そのことが緊張感を生み、ぎりぎりまで考え抜き、より良いアイデアを出すことに
繋がっていると語っていました。「仲間とやるのは気楽でいいが、1~2年すると緊張感がなくなり、
飽きてしまうのではないか。成長する機会を多く作るのが経営側の責任だと思う。
仲間と楽しくやるというのは、ちょっと逃げている気がする。

■今後の成長戦略
「マクロミルのビジネスモデルは非常に優れたものであり、海外のリサーチ会社を調べてみても、
このレベルに達しているところは無いため、これを海外に輸出したい。韓国には進出し、
今後は他国にも進出したい。そのためのパートナー作りが必要である。

また、国内市場向けには、現在のシステム(エアーズ3)のSaaS型での提供、
そしてCRMのソリューションへと進化させたい」と、最後に意欲的に語っておられました。

■所感
今回、久しぶりに経営者講義に参加して改めて思ったのは、事業が成功するには、
顧客が誰なのかはっきりしていること、目に見える具体的なメリットを提供できること、
仕組みがきちんとしていることが要であるということです。それでも予期せぬ事は起こるものであり、
それを克服するには、熱意を持って語り、行動することなのだなと、過去に受講した講座で
学んだことを思い出すことができました。

次回の経営者講義は、3月4日(木)「弁護士ドットコムの元榮太一郎さん」です。
元榮さんもABS19期の卒業生です、しばらくABSにはごぶさたしている方も、
当時の気持ちを思い起こす機会になると思いますので、いっしょに参加しませんか?
皆さんとご一緒できるのを楽しみにしております。


           アタッカーズ・ビジネススクール卒業生 ABS@NET幹事 中平
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