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大前研一最新提言!『大前研一特別講義 講義議事録(前編)』

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 ■大前研一最新提言
  『 大前研一特別講義 講義議事録(前編)
    ~ 日本は逆境。 だから今がチャンスなんだ!』
 ※12月20日 アタッカーズ・ビジネススクール受講生向けの特別講義より
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 アタッカーズ・ビジネススクール塾長・大前研一による、たっぷり
 3時間の生講義。世界や日本における大量かつ多様な情報が、
 辛口の大前節によってスルスルと飛び出す!
 
 ぜひお楽しみにください!


■データから事業機会を読む

日本の国は、いったいどういう国になってきているのか。
皆さんは非常にラッキーなことに、これから逆境の中で勝負をする。僕らの頃
は、全てが上り調子だった。しかし日本のピークは95~96年で、その後は全て
の指標で落ちている。日本はもはや、世界でも珍しい老大国なんだ。大きな特
徴は、家計保有金融資産で、預貯金つまり現金が多いこと。そして所得と資産
は減少。物価の動きもあまり良いとは言えないな。

今から20年前。家族と言えば夫婦と子供だった。ところが2005年にクロスして
、単身世帯が日本で一番大きな世帯になってしまった。現在では、単身世帯が
31.2%、夫婦と子供で構成する世帯が27.9%、夫婦のみの世帯が20.1%。20年
という短期間で、大きな構造変化が起きている。

皆さんも事業を考える時に、誰を対象に、何をやるのか考えるだろう?
では、なぜGMS(General Merchandise Store/郊外の大規模量販店)やファミレ
スが売れなくなってしまったのか。
GMSは、家族を前提に成り立っている。車で乗り付けて、トランクいっぱい買い
付ける。車のトランクいっぱい買うなんて、子供が3人、4人といっぱいいる
家族だけだよ? 単身だったらそんなに買う必要はないよね。ポーションが大き
すぎる。これからは100グラム単位でなく80グラム単位で売ったほうが良いに決
まっている。単身者なんて、食べるものより冷蔵庫の中で腐るものの方が多い
んだから。NHKの料理番組でも、4人前の料理を作っていたのが、去年からよう
やく2人前になったんだ。

そしてファミレス。単身者が1人でファミレスに行くほど癪に障るものは無い
。でも一人用のレストランが無い、一人用のレストランがあれば儲かるよ。そ
こは若干寂しいけれども、カウンターバーみたいな雰囲気のお店で、ちょっと
だけ可愛い子と雑談しながら、煮つけかなんか食べて帰っていく。一人用のレ
ストランで何とかやっているのは、日本では大戸屋だけだ。

日本の標準モデルが変わっているのに、ほとんどの経営者がこれに気が付いて
いない。20年前は、20~30歳の若い年代に単身世帯が最も多くて、年代が上が
るとその数は減っていた。今はどの年代を見ても単身世帯が多い。未婚や晩婚
、離婚に死別・・・。どの年代をとっても、単身世帯が増えているんだ。

皆さんはフレッシュな心で、日本の最大のセグメントである単身世帯を狙いな
さい。現在ほとんどの会社は、20年前・80年代の分布を対象にしているのだか
ら、事業機会は山ほどある。データは見るだけでは駄目。データを見ながら、
意味するものを考えると、無限の事業アイデアが出てくる。皆さんは、グラフ
を眺めるだけでなく、考える癖をつけなきゃいけない。


■寝ている日本の現状

日本のGDP成長率は、95年からほとんど変化がない。誰にも頼まれないのに、
この国は寝ちゃっている。この間、緊急経済政策300兆円、第二次補正予算…
等10いくつの経済対策をやったにも関わらずだ。これが今のマクロエコノミー
。こういう国は世界に無い。日本は紛れもなく世界2位の経済大国だった。と
ころが中国を見てみると、どうだ。

僕はちょうど平成元年に『平成維新』(講談社)という本を書いた。その表紙
は世界地図。各国のGDPの大きさを国の面積に反映して世界地図を描いた。当
時の中国は、ちょうど九州くらいの大きさだったんだよ。 でも09年12月、中
国は日本を抜いた。年間GDPでは日本の方がちょっとだけ大きいが、来年は中
国が確実に日本を抜いてくるよ。月次ではちょうど日本を抜たところだ。

その一方で、EU27カ国は、トコトコトコトコ伸びて行って米国を抜いた。EUは
もはや国家だ。最もGDPが大きな国は米国ではない。EUだ。2位は米国、3位
は来年から中国。日本は4位。

中国と日本とでは、GDP成長率が7%違う。ということは2020年には、中国は
日本の倍になる。もし中国が現在の成長率を維持すると、2050年は日本の10倍
以上の規模だ。にも関わらず、日本は頼まれもしないのに寝ている。なぜ横に
なるのか。それは経済対策をするからだ。

緊急経済対策は、土木工事が多い。300兆円の土木工事をやるんだ。土木工事
を緊急にやるには、すぐに土地を買える所でしかできない。そうすると東京や
大阪、名古屋等の大都市が手つかずになる。一方で、国が20年計画でやらなけ
ればいけないことは、沢山ある。しかもそこにニーズがあり、金もあり人も存
在する。でもそこに金を使わない。
公共工事に経済のちょっとは効果があるのか。ほとんどない。日本が途上国な
ら、沢山インフラを作れば経済効果につながる。先進国では上昇効果は非常に
乏しい。

日本だけが寝ている。金利をゼロにしてマネーサプライをジャブジャブにして
、300兆円の緊急経済対策をやって何の効果もない。つまりマクロ経済は効き
目がない。マクロ経済は途上国でしか効かない。先進国は皆が金を持っている
のだから、心理経済を使うのだ。そうすると皆何か買おうという気持ちになる
。マクロではなく、ミクロ経済。金利やマネーサプライをいじらないで、心理
をいじる。

ドイツ首相のアンゲラ・メルケル。車の売り上げが大きく落ち込んだ2009年1
月、9年落ちの車を新車に買い換えれば2,500ユーロ払う政策を出しました。そ
の時たまたまドイツに行ったら、ディーラーの前に大破した自動車が置いてあ
って2,500ユーロと貼ってある。この政策は1年限り。皆がチャンスだと思う
。だからドイツは先進国の中で唯一自動車販売数が、前年対比マイナスになら
ずに済んだ。これも心理。いつか買い換えるのなら、今年がいい。日本もそれ
を真似したけれども、条件が複雑で効果が薄い。But、Howeverは駄目。つまり
先進国を動かしているのは心理なのだ。



前編はここまで、

後半ももっと確認触れる内容がぞくぞく登場します。
次回をお楽しみに!
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