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『大前研一の提言!【人間力の時代】』

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【2】 大前研一の提言!
  『【人間力の時代】鳩山民主党よ、
    本気で官僚と闘う気があるならこの改革をやってみせろ
    ~「バラまき方」を変えるだけでは改革とは呼べない 』
    ※SAPIO 9月9日号に大前研一が寄稿した記事を編集したものです
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■カネをかけずに日本を復活させる「富を生む源泉」

鳩山民主党が本当に政権担当能力を持ち、本気で日本を改革する気持ちが
あるのなら、何よりまず、土壇場にきた日本経済の立て直しを
“税金を使わずにやる”ことが課題になるだろう。

それは可能であるが、自民党政権はやってこなかった。なぜなら、
自民党を裏で支え続けてきた官僚組織の権益を奪うことになるからだ。
逆に言えば、民主党がそこに踏み込めるかどうかは、「鳩山首相」の
リーダーとしての資質を問う最大の試金石になる。

世界で改革に成功したリーダーは、例外なく「これまでなかった財源を
生み出す」知恵を持っていた。ロシアのプーチン前大統領はフラット
ダックスにより、減税をしながら大幅な税収増を実現した。

地下経済を表に引っ張り出したからである。最近ではインドネシアの
ユドヨノ政権(とくにスリ・ムルヤニ財務大臣)が、過去の脱税を不問に
付することで税収を1.5倍にした。

そのカネでやったことがまた奇抜で、官僚の給料を3倍に上げたのである。
国民は怒りそうなものだが、これによって官僚の腐敗がなくなり(悪事に
手を染める必要がなくなった)、国の改革が進めやすくなったのである。

ユドヨノ再選はこうした改革が支持されたことを示しており、
この「眠れぬ大国」もいよいよ発展段階に入った、と私は見ている。
台湾の馬英九総統は、陳水扁前政権の8年間に中国と断絶したことで経済が
停滞した点を国民に訴えて支持を受けた。

大発展する中国の経済に乗っかることが台湾にとっても必須となって
きている。したがって、彼の主張(三通=中国間の通商、通航、通信)が
正しいことを今後の経済発展で証明できるかどうか、具体的施策をいかに
巧みに繰り出すことができるかどうかが腕の見せ所となる。

逆に、アメリカのブッシュ前大統領や韓国の盧武鉉前大統領を見るにつけ、
リーダー1人の失敗で国家全体が大迷走してしまう脅威も忘れるわけには
いかない。


さて、日本はどうやって新たな財源を生み出し、経済発展を成し遂げるべきか。
まず考えなければならないのは、先進国で最もひどい財政状況である。

日本政府の借金(国債や借入金の合計)は09年6月末現在で過去最高の
約860兆円に達し、税収(約46兆円)の19倍近い水準になっている。

民主党はすでに「子ども手当」や農家への戸別所得補償などの
バラまき政策を公約しているから、新たな支出が増えることも確実だ。
民主党は予算の無駄を省き、いわゆる「埋蔵金」を活用するなどで

まかなえるというが、たとえそれができたとしても、しょせんは限られた
予算の分配方法が変わるだけであり、しかも税収以上の支出を続ける
赤字財政も是正できない。

本当は、日本は非常にユニークなポテンシャルを持っている。だから
税金を使わずに経済発展=税収増を実現できるのである。ヒントになる
のは大発展を遂げる中国の都市・産業基盤開発だ。

中国では土地はすべて共産党のものである。そのうち農民に与えられて
いる土地が「新たな富を生む資源」となっている。政府や自治体は農地を
農民から接収し、代替地を与える。接収した土地の羊頭を商業、産業
などに変更し、民間業者に49~79年くらいでリースし、開発させる。

そのリース料が政府のポケットに入ってくるので、税金を使わずに
都市や産業基盤の建設資金が捻出される。このやり方によって中国は、
この20年くらいの間に新しく180以上の巨大都市(人口100万人以上)を
造り上げてきた。

これなら全く財政負担をせずに経済を発展させることができる。
国民も重税に喘ぐことがない。見方を変えれば農民が搾取されているのだが、
その多くは新しくできた都市で労働者となっている。世界一広大な土地を
所有する共産党にとっては、国家発展のための「源泉」は、ほぼ無限
なのである。これが世界中があまり理解していない「中国マジック」だ。

日本にはそんな土地はもうない、と思うかもしれないが、実は同じような
「未開発の富を生む土地」が山のように残されている。それこそが官僚利権に
よって隠された日本経済復活の源泉なのである。

■必要なのは「税金を使わぬ開発」の1つの成功例

富を生む土地をどうやって開発するかは政治のリーダーシップの見せ所となる。
官僚の抵抗を排し、なおかつ乱開発にブレーキをかけながら進めるには強い
政治力が不可欠だ。

中国で都市開発が進展するのは、市長などに強い権限が与えられているからだ。
日本のように、市の開発計画に県や国が文句を言ったりカネを出したりはしない。
逆に、自治体が国を頼ったり、責任逃れをしたりもしない。

市長が自分の才覚と権限で開発し、成功したら評価され、失敗したら更迭される。
一方、日本では何をするにも国の認可が必要だ。たとえば、細川護熙元首相は
熊本県知事時代、国道のバス停を20m動かすために何回も上京して建設省と
交渉したという。また、大阪市が国道の御堂筋の歩道に郷土出身の彫刻家の
作品を置こうとした時も、市長が何度も東京に足を運んだ。

こんなふうに自治体の発展を邪魔してきた中央集権をやめ、日本でも開発
の主体は市や区に移すべきだろう。それが官僚主導国家からの真の地方
自治国家に変わる第一歩となる。

そして、今後の都市開発は(よくある役人の手垢の付いたものではない)
純粋かつ厳格なPFI方式(PrivateFinance Initiative/公共事業を民間の
資金、経営、技術を活用して行う手法)で進めることが重要だ。

乱雑な開発とならないよう、再開発の単位を大都市部でも1辺500m以上の
区域に分け、しっかりとした地盤整備をし、その上に道路、住宅地、学校、
公園、商業地、オフィスなどを練り込んでいく。

大事なことは、官僚に恣意的な判断をさせないことだ。すべてのルールは
住民が決める。建物の高さや色なども住民が自分たちの街並みはこうしたい
と決めたら、行政はそれに従う。

もちろん最低限必要な都市機能の整備や耐震、耐火、水害などに対する
安全基準にはルールを設けるとしても、官僚が全国一律に決める必要は
全くないのである。

住民に任せると、意見が対立して意思表示ができないケースもあるだろうが、
それはそれで一向にかまわない。やりたいところからやればよい。我々が
欲しいのは税金を湯水のごとく注ぎ込んだ「均衡ある国土の発展」ではなく、
税金を使わない最初の成功例なのだ。

それが1つ出てくれば、街づくりの競争が始まるだろう。そうなれば、
もう官僚の権限も財政支出も必要なくなる。それが真の地方自治である。


民主党が本気で官僚支配からの脱却と地方自治を目指すのであれば、
彼らに無限の財源を与えればよい。埋蔵金ではなく、市街化調整区域と
湾岸工業地帯、そして大都市部の空中にある埋蔵された富を掘り尽くせ、
と言いたい。

国家の基本となる街づくりと経済復興を税金と官僚の手を使わずに実現してみせよ、
とアドバイスしたい。それができれば、国民は政権交代が起きて良かったと
評価するだろうし、官僚支配から脱却した象徴にもなるだろう。

                                 以上
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