●最終回 ◆株式会社 発起設立の流れ
▼今回のポイントは・・・
・会社設立の手続きの流れを知る
・起業家が困ってしまったこととは?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さて最終回は、実際の手続きの流れをご案内いたします。
●最終回 ◆株式会社 発起設立の流れ
1.発起人を決める
2.会社の基本事項を決定する
3.会社代表印をつくる
4.定款を作成し、公証役場で認証を受ける
(認証費用 約9万2000円)
5.発起人による引受株式数を決める
6.金融機関に出資金を払い込む
7.設立時取締役等を決める
8.設立時取締役等の調査
9.会社住所地の法務局へ登記申請をする
(株式会社の登録免許税 15万円)
▼以下、1~9までの補足です。
1.発起人を決める
出資金を出す人で、1人でもよく、その場合は1人株主であり
その人が社長となるのが普通。
2.会社の基本事項を決定する
会社の商号、目的、本店所在地などを決定。
登記を申請する法務局の管轄がどこになるのか、法務省の
ウェブサイトなどで確認し、わからないことは法務局の
無料相談コーナーに質問しましょう。
3.会社代表印をつくる
同一所在場所に同一商号は禁止されているので、法務局で
自社の商号と本店所在場所を確認の上、(法務局の担当者が
確認のやり方を教えてくれます)代表印を注文しておきましょう。
凝った印鑑にすると作成日数がかかり、設立希望日に
間に合わないことも・・・
4.定款を作成し、公証役場で認証を受ける
(認証費用 約9万2000円)
認証は、本店所在地の都道府県内の公証役場という管轄が
あるので、あらかじめ調べておきましょう。
電子認証にすると、定款に貼付する4万円の印紙は不要
(電子文書に対しては印紙税法の適用が無いため)になりますが、
認証費用は別途約5万2000円必要となります。
ただし、電子認証は限られた公証役場しかできませんので、
事前に確認しておく必要があります。
定款は、設立登記完了後、株主総会で変更可能であり、
公証人の認証は必要ありません。
設立時の定款はごく基本的なもので十分です。
事業をやりながら、本当の意味での会社羅針盤となるように、
整えていかれることをお勧めします。
5.発起人による引受株式数を決める
株式1株の金額と発行株式数を決定。
1株の金額×発行株式数=資本金○円
例 1株1万円で100株発行→資本金の額は100万円
この例は出資金全額が資本金にあてられる場合の計算ですが、
資本準備金として資本金とは別に積み立てることもできます。
設立後は、出資者との関係をどう築いていくか、
それも含めて考えましょう。
★起業家が困った、こんなエピソード1
IT分野で特許もとり、独創的なビジネスモデルで設立しようと
したところ、出資者が続出。うれしい悲鳴といいたいところですが、
自分の議決権が50%以下に・・・こんな事態もありますので要注意!
6.金融機関に出資金を払い込む
出資は現金だけでなく、発起人による現物出資
(パソコン、自動車等)も認められています。
★起業家が困った、こんなエピソード2
発起人の通帳に、出資金相当額の残高があったので、
残高ページのコピーをして申請したところ、手続きがストップに!
定款の認証後の日付で、実際の振込み事実がないと、出資金とは
みなされないためでした。面倒でも一度出資金を引き出した上、
定款認証後に再度入金してください。
7.設立時取締役等を決める
取締役が複数いる場合は、代表取締役を選定します。
取締役1名の場合は、登記事項として、「代表取締役」と記載されます。
CEOとかCFOは登記事項ではありません。
8.設立時取締役等の調査
設立時取締役は、会社設立手続きに、法令・定款違反が
無いかどうか調査し、発起人に報告します。
9.会社住所地の法務局へ登記申請をする
(株式会社の登録免許税 15万円)
申請前に、法務局相談コーナーで必ず書類をチェックして
もらいましょう。申請日が、会社設立の日となります。
◆まずは身の丈に合った会社をつくろう!
大切なのは、ご自分の現状にマッチした大きさの会社をはじめることです。
多様な選択肢が用意されており、夢やミッションを達成するには
どんな形態の組織がよいのか、専門家と相談をするのも良いでしょう。
現在設立できる会社は4種類ありますが、お勧めは、株式会社、
合同会社(有限会社の新規設立は不可)です。
下記ウェブサイトには分かりやすい情報が満載です。ぜひ参考にして下さい。
⇒ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaisya/kaisyahou33/kaisyahou.htm
定款の内容は本当にむずかしかったと思いますが、定款をみれば
会社の経営戦略や、定款作成者の法的レベルが判明してしまうので、
時間をかけて取り組みましょう。
皆さんのご健闘をお祈りしております! ありがとうございました。
●この連載は今回で終了となります!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いかがでしたか?
「起業」はアイデアや事業プランだけではうまくいきませんよね。
法律や実務の部分も学んでいただきたいと思います。
ABSの講座では自身の資質を向上したり、事業プランを精査して
もらい、講座ではカバーできない起業のテクニカルな部分を、
このメルマガで補完する、といった目的もあります。
ぜひご意見などいただければ幸いです
⇒ abs@bbt757.com
今回の連載は、初級の内容となります。
好評のようでしたら、中級編や別の切り口でのシリーズ化を
考えています!
※なお、この原稿は古上さんに執筆していただいた後、
司法書士の立花宣男様に監修して頂いております。
●監修者:
元東京法務局法人登記部門首席登記官
日本加除出版株式会社 常任顧問
司法書士 立花宣男
この文章は大前研一のアタッカーズ・ビジネススクールが発行するメルマガ【情熱DNA】(まぐまぐ殿堂入り)にて配信した内容です。ご登録いただければ毎週水曜日、お手元に届きます。こちらから
・会社設立の手続きの流れを知る
・起業家が困ってしまったこととは?
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さて最終回は、実際の手続きの流れをご案内いたします。
●最終回 ◆株式会社 発起設立の流れ
1.発起人を決める
2.会社の基本事項を決定する
3.会社代表印をつくる
4.定款を作成し、公証役場で認証を受ける
(認証費用 約9万2000円)
5.発起人による引受株式数を決める
6.金融機関に出資金を払い込む
7.設立時取締役等を決める
8.設立時取締役等の調査
9.会社住所地の法務局へ登記申請をする
(株式会社の登録免許税 15万円)
▼以下、1~9までの補足です。
1.発起人を決める
出資金を出す人で、1人でもよく、その場合は1人株主であり
その人が社長となるのが普通。
2.会社の基本事項を決定する
会社の商号、目的、本店所在地などを決定。
登記を申請する法務局の管轄がどこになるのか、法務省の
ウェブサイトなどで確認し、わからないことは法務局の
無料相談コーナーに質問しましょう。
3.会社代表印をつくる
同一所在場所に同一商号は禁止されているので、法務局で
自社の商号と本店所在場所を確認の上、(法務局の担当者が
確認のやり方を教えてくれます)代表印を注文しておきましょう。
凝った印鑑にすると作成日数がかかり、設立希望日に
間に合わないことも・・・
4.定款を作成し、公証役場で認証を受ける
(認証費用 約9万2000円)
認証は、本店所在地の都道府県内の公証役場という管轄が
あるので、あらかじめ調べておきましょう。
電子認証にすると、定款に貼付する4万円の印紙は不要
(電子文書に対しては印紙税法の適用が無いため)になりますが、
認証費用は別途約5万2000円必要となります。
ただし、電子認証は限られた公証役場しかできませんので、
事前に確認しておく必要があります。
定款は、設立登記完了後、株主総会で変更可能であり、
公証人の認証は必要ありません。
設立時の定款はごく基本的なもので十分です。
事業をやりながら、本当の意味での会社羅針盤となるように、
整えていかれることをお勧めします。
5.発起人による引受株式数を決める
株式1株の金額と発行株式数を決定。
1株の金額×発行株式数=資本金○円
例 1株1万円で100株発行→資本金の額は100万円
この例は出資金全額が資本金にあてられる場合の計算ですが、
資本準備金として資本金とは別に積み立てることもできます。
設立後は、出資者との関係をどう築いていくか、
それも含めて考えましょう。
★起業家が困った、こんなエピソード1
IT分野で特許もとり、独創的なビジネスモデルで設立しようと
したところ、出資者が続出。うれしい悲鳴といいたいところですが、
自分の議決権が50%以下に・・・こんな事態もありますので要注意!
6.金融機関に出資金を払い込む
出資は現金だけでなく、発起人による現物出資
(パソコン、自動車等)も認められています。
★起業家が困った、こんなエピソード2
発起人の通帳に、出資金相当額の残高があったので、
残高ページのコピーをして申請したところ、手続きがストップに!
定款の認証後の日付で、実際の振込み事実がないと、出資金とは
みなされないためでした。面倒でも一度出資金を引き出した上、
定款認証後に再度入金してください。
7.設立時取締役等を決める
取締役が複数いる場合は、代表取締役を選定します。
取締役1名の場合は、登記事項として、「代表取締役」と記載されます。
CEOとかCFOは登記事項ではありません。
8.設立時取締役等の調査
設立時取締役は、会社設立手続きに、法令・定款違反が
無いかどうか調査し、発起人に報告します。
9.会社住所地の法務局へ登記申請をする
(株式会社の登録免許税 15万円)
申請前に、法務局相談コーナーで必ず書類をチェックして
もらいましょう。申請日が、会社設立の日となります。
◆まずは身の丈に合った会社をつくろう!
大切なのは、ご自分の現状にマッチした大きさの会社をはじめることです。
多様な選択肢が用意されており、夢やミッションを達成するには
どんな形態の組織がよいのか、専門家と相談をするのも良いでしょう。
現在設立できる会社は4種類ありますが、お勧めは、株式会社、
合同会社(有限会社の新規設立は不可)です。
下記ウェブサイトには分かりやすい情報が満載です。ぜひ参考にして下さい。
⇒ http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaisya/kaisyahou33/kaisyahou.htm
定款の内容は本当にむずかしかったと思いますが、定款をみれば
会社の経営戦略や、定款作成者の法的レベルが判明してしまうので、
時間をかけて取り組みましょう。
皆さんのご健闘をお祈りしております! ありがとうございました。
●この連載は今回で終了となります!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いかがでしたか?
「起業」はアイデアや事業プランだけではうまくいきませんよね。
法律や実務の部分も学んでいただきたいと思います。
ABSの講座では自身の資質を向上したり、事業プランを精査して
もらい、講座ではカバーできない起業のテクニカルな部分を、
このメルマガで補完する、といった目的もあります。
ぜひご意見などいただければ幸いです
⇒ abs@bbt757.com
今回の連載は、初級の内容となります。
好評のようでしたら、中級編や別の切り口でのシリーズ化を
考えています!
※なお、この原稿は古上さんに執筆していただいた後、
司法書士の立花宣男様に監修して頂いております。
●監修者:
元東京法務局法人登記部門首席登記官
日本加除出版株式会社 常任顧問
司法書士 立花宣男
この文章は大前研一のアタッカーズ・ビジネススクールが発行するメルマガ【情熱DNA】(まぐまぐ殿堂入り)にて配信した内容です。ご登録いただければ毎週水曜日、お手元に届きます。こちらから
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