第1回目 会社法と定款
アントレプレナーが自らのビジョンを達成するための、
もっともエキサイティングな手段の一つ、それは『起業』です。
この企画では、『起業』するためには避けて通れない、
会社設立に関する手続きなどについて、わかりやすくレクチャー
していきます。
会社設立の際に、
●あらかじめ準備しておくこと
●間違いやすいポイント、
●陥りやすいミス
を知っていただき、ぜひ大きな成功に向けて、
スムーズにスタートしていただきたいと思います。
◆この連載は、司法書士 古上敦利事務所 古上敦子さんに
執筆していただいています。
古上さんは、実はABS19期の卒塾生で、起業家支援を目的
とした有限責任事業組合(LLP)を近々設立の予定です。
マインド、専門分野ともにこの連載にうってつけの方です!
▼今回のポイントは・・・
・定款とは何か?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●第1回目 ◆会社法と定款◆
皆さんこんにちは。
起業家マインドにさらに磨きをかけて頂くよう、会社設立にまつわる
お話を3回シリーズでお送りしたいと思います。
第1回目は会社法と定款です。
◆定款とは何か
定款とは、会社に備え置くべき会社の最高法規を文書で表したもので、
設立のときに公証人に認証をしてもらう重要なものです。設立時に
作成して、登記の添付書面として申請してしまった後には、
めったなことではお目にかからない代物のようです。
(業種によっては、法務局以外から提出を求められます。)
ところで、これから設立をしようとする方や、すでに会社を経営している
ハズの社長さんから、定款て何? と言われることが多々あります。
この定款の内容がわからなくてもさしたる不自由もなく、あまり大切
にはされてはおりません。法律が要求するので仕方なく作り、
何の意味があるのか追及もしない、というのが皆さんの“ジョウシキ”
でした。専門家におまかせです。
それでも会社は立ち上がりなんとか回っていきますが、
これから起業をされる皆さんにはぜひ、内容を理解して頂き、
アントレプレナーとしての資質を高めて頂きたいと思います。
◆定款で自社をアピール
今年5月1日に新しい会社法が施行されました。今までの旧い会社法制は、
会社の行動を束縛することに主眼を置いておりましたが、度重なる
商法改正を経て、「会社の健全な活動を助力する法」として
生まれ変わりました。
会社法は「定款自治」ということを広く認め、会社が事業を行うにあたり
目的にあたった機関設計を会社自らデザインできるよう柔軟性を
もたせています。そこで忘れられてしまう定款ではなく、自社の内容を
アピールできるツールとして、戦略的に定款を作成していくことを
ご提案したいと思います。
基本に戻って考えますと、会社を設立し、登記をするということは、
会社の、社会的責任の在りかを明確にするということです。トラブルが
あったときの責任は誰がとるのか?その会社と取引をしたいときに、
会社の所在地、目的、商号、資本金の額、代表取締役の住所など、
法務局で会社の登記事項証明書を取得して調べることは誰でも自由(有料)
にできます。
ホームページなどでも情報を開示できますが、法務局では会社法に則り、
ルールに従って情報が公示されており、公示内容の基礎となるのが会社定款です
。
ちなみに、ABSの運営会社である株式会社ビジネス・ブレークスルーの
会社概要を参考にしてみてください。
⇒ http://www.bbt757.com/company/aboutus/index.htm
登記簿の公示内容に近いものが載っていますが、代表取締役の住所、
取締役の任期などは、わかりません。法務局とホームページが
違うところは、会社法というルールを遵守しているかどうかが、
見えてくるということです。
◆定款にはアントレプレナーの志を!
最低限、会社法のルールを表現しているのが会社登記簿ですが、定款には
さらに自社独自の内容として、株主や投資家向けに企業理念やガバナンスを
アピールすることもできるわけです。
株式会社の権利能力は、定款に定めた目的の範囲で存在し、株主は
会社法の規定のほかに定款の定める株式の内容によりその権利を行使でき、
取締役や執行役も定款にしたがって職務を遂行するものであり、~中略~
その他定款に違反したときは、その責任を問われることになります。
(「新会社法 定款事例集 日本加除出版p5」)
定款は堅苦しい決まりごとの寄せ集めではなく、IR情報を積極的に
反映するためのツールとして見直す、設立時の起業理念、何のために
会社を興すのかアントレプレナーとしての志を表現する文書として
活用して頂きたいと切に願うものです。
●次回は、具体的な内容についてです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いかがでしたか?
「起業」はアイデアや事業プランだけではうまくいきませんよね。
法律や実務の部分も学んでいただきたいと思います。
ABSの講座では自身の資質を向上したり、事業プランを精査して
もらい、講座ではカバーできない起業のテクニカルな部分を、
このメルマガで補完する、といった目的もあります。
ぜひご意見などいただければ幸いです
⇒ abs@bbt757.com
今回は、全3回の連載で、初級の内容となります。
好評のようでしたら、中級編や別の切り口でのシリーズ化を
考えています!
※なお、この原稿は古上さんに執筆していただいた後、
司法書士の立花宣男様に監修して頂いております。
●監修者:
元東京法務局法人登記部門首席登記官
日本加除出版株式会社 常任顧問
司法書士 立花宣男
この文章は大前研一のアタッカーズ・ビジネススクールが発行するメルマガ【情熱DNA】(まぐまぐ殿堂入り)にて配信した内容です。ご登録いただければ毎週水曜日、お手元に届きます。こちらから
もっともエキサイティングな手段の一つ、それは『起業』です。
この企画では、『起業』するためには避けて通れない、
会社設立に関する手続きなどについて、わかりやすくレクチャー
していきます。
会社設立の際に、
●あらかじめ準備しておくこと
●間違いやすいポイント、
●陥りやすいミス
を知っていただき、ぜひ大きな成功に向けて、
スムーズにスタートしていただきたいと思います。
◆この連載は、司法書士 古上敦利事務所 古上敦子さんに
執筆していただいています。
古上さんは、実はABS19期の卒塾生で、起業家支援を目的
とした有限責任事業組合(LLP)を近々設立の予定です。
マインド、専門分野ともにこの連載にうってつけの方です!
▼今回のポイントは・・・
・定款とは何か?
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●第1回目 ◆会社法と定款◆
皆さんこんにちは。
起業家マインドにさらに磨きをかけて頂くよう、会社設立にまつわる
お話を3回シリーズでお送りしたいと思います。
第1回目は会社法と定款です。
◆定款とは何か
定款とは、会社に備え置くべき会社の最高法規を文書で表したもので、
設立のときに公証人に認証をしてもらう重要なものです。設立時に
作成して、登記の添付書面として申請してしまった後には、
めったなことではお目にかからない代物のようです。
(業種によっては、法務局以外から提出を求められます。)
ところで、これから設立をしようとする方や、すでに会社を経営している
ハズの社長さんから、定款て何? と言われることが多々あります。
この定款の内容がわからなくてもさしたる不自由もなく、あまり大切
にはされてはおりません。法律が要求するので仕方なく作り、
何の意味があるのか追及もしない、というのが皆さんの“ジョウシキ”
でした。専門家におまかせです。
それでも会社は立ち上がりなんとか回っていきますが、
これから起業をされる皆さんにはぜひ、内容を理解して頂き、
アントレプレナーとしての資質を高めて頂きたいと思います。
◆定款で自社をアピール
今年5月1日に新しい会社法が施行されました。今までの旧い会社法制は、
会社の行動を束縛することに主眼を置いておりましたが、度重なる
商法改正を経て、「会社の健全な活動を助力する法」として
生まれ変わりました。
会社法は「定款自治」ということを広く認め、会社が事業を行うにあたり
目的にあたった機関設計を会社自らデザインできるよう柔軟性を
もたせています。そこで忘れられてしまう定款ではなく、自社の内容を
アピールできるツールとして、戦略的に定款を作成していくことを
ご提案したいと思います。
基本に戻って考えますと、会社を設立し、登記をするということは、
会社の、社会的責任の在りかを明確にするということです。トラブルが
あったときの責任は誰がとるのか?その会社と取引をしたいときに、
会社の所在地、目的、商号、資本金の額、代表取締役の住所など、
法務局で会社の登記事項証明書を取得して調べることは誰でも自由(有料)
にできます。
ホームページなどでも情報を開示できますが、法務局では会社法に則り、
ルールに従って情報が公示されており、公示内容の基礎となるのが会社定款です
。
ちなみに、ABSの運営会社である株式会社ビジネス・ブレークスルーの
会社概要を参考にしてみてください。
⇒ http://www.bbt757.com/company/aboutus/index.htm
登記簿の公示内容に近いものが載っていますが、代表取締役の住所、
取締役の任期などは、わかりません。法務局とホームページが
違うところは、会社法というルールを遵守しているかどうかが、
見えてくるということです。
◆定款にはアントレプレナーの志を!
最低限、会社法のルールを表現しているのが会社登記簿ですが、定款には
さらに自社独自の内容として、株主や投資家向けに企業理念やガバナンスを
アピールすることもできるわけです。
株式会社の権利能力は、定款に定めた目的の範囲で存在し、株主は
会社法の規定のほかに定款の定める株式の内容によりその権利を行使でき、
取締役や執行役も定款にしたがって職務を遂行するものであり、~中略~
その他定款に違反したときは、その責任を問われることになります。
(「新会社法 定款事例集 日本加除出版p5」)
定款は堅苦しい決まりごとの寄せ集めではなく、IR情報を積極的に
反映するためのツールとして見直す、設立時の起業理念、何のために
会社を興すのかアントレプレナーとしての志を表現する文書として
活用して頂きたいと切に願うものです。
●次回は、具体的な内容についてです。
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いかがでしたか?
「起業」はアイデアや事業プランだけではうまくいきませんよね。
法律や実務の部分も学んでいただきたいと思います。
ABSの講座では自身の資質を向上したり、事業プランを精査して
もらい、講座ではカバーできない起業のテクニカルな部分を、
このメルマガで補完する、といった目的もあります。
ぜひご意見などいただければ幸いです
⇒ abs@bbt757.com
今回は、全3回の連載で、初級の内容となります。
好評のようでしたら、中級編や別の切り口でのシリーズ化を
考えています!
※なお、この原稿は古上さんに執筆していただいた後、
司法書士の立花宣男様に監修して頂いております。
●監修者:
元東京法務局法人登記部門首席登記官
日本加除出版株式会社 常任顧問
司法書士 立花宣男
この文章は大前研一のアタッカーズ・ビジネススクールが発行するメルマガ【情熱DNA】(まぐまぐ殿堂入り)にて配信した内容です。ご登録いただければ毎週水曜日、お手元に届きます。こちらから
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