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『起業における、賢い資金調達術!』#2


こんにちは。10年に一度といわれた台風26号が過ぎ去った、
台風一過の日本橋事務所にて、当メルマガを書いています。

創業支援の公認会計士・税理士事務所を経営する、
株式会社HG&カンパニー代表取締役 萩口義治
(ABSでの通称:はぎちゃん)です。

ABSという学びの場で得た仲間と自信と勇気を胸に、
昨年自ら起業し、最も熱くて最も弱い、
「創業」の方々の支援に勤しんでおります。

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さて、創業時の資金調達をテーマにということで、
2回目となる今回は、「創業補助金」について書こうと思います。

私自身も、創業支援・事業計画策定分野の認定支援機関として、
現在多くの案件に携わらせて頂いております「創業補助金」ですが、
創業するなら応募しない手はないというほど、
出資よりも融資よりも有利な資金調達
となっています。
起業をお考えの方には、概要を知っておいていただいて
損はないと思いますので、ぜひ読んでみてください。


              
■創業補助金って何?

中小企業庁が今年の3月22日に募集を開始した補助金で、
予算は200億円。9月の中旬より、第3次の募集が開始され、
前期締切10月21日、後期締切12月24日まで募集が行われております。

募集要項はこちら
⇒ http://www.sogyo-tokyo.jp/docs/3youkou_tokyo.pdf

■対象者は?

平成25年3月23日~平成26年9月30日までの間に
「創業」する若しくは、する予定の人。

「創業」とは、①税務署に「個人事業開業届出書」を提出して
個人事業主になること、②自らが代表となって会社設立登記を
すること
の2点を指します。

また、このほかに、中小企業等で事業を引継ぎ、新事業分野に
進出する後継者についても「第二創業」ということで対象となります。


■いつ、いくら補助してもらえるの?

補助金が交付されるのは、支出した後です。
支出した対象経費の金額のうち、3分の2が後から補助されます。

具体的には、平成26年1月(後期締切なら3月)~平成26年9月30日
までの期間で支出した対象経費に対して、
平成26年12月の補助金の支給が予定されています。

申請には、以下の3種類があり、
それぞれ下限額100万円~上限額が異なります。

①地域需要創造型 上限200万円
②第二創業    上限500万円
③海外需要獲得型 上限700万円

つまり、①地域需要創造型で200万円の補助金を獲得するなら、
事前に300万円以上の対象経費の支出が必要になります。

事前に支出するための資金300万円は、自己資金や融資などによって
調達しなくてはなりません。


■対象になる経費とは?

多くの創業者が支出する費目としては、人件費、事務所家賃、
専門家費用(税理士・司法書士・弁理士)、HP作成費、
広告費などがあります。

詳しくは、募集要項の5ページ「補助対象経費」を参照のこと。
⇒ http://www.sogyo-tokyo.jp/docs/3youkou_tokyo.pdf


■選考基準は?

原則、書面審査のみです。③の海外需要獲得型についてのみ、
書面審査の合格者に対して面接審査があります。

事業計画書は5ページほどでさほど多くはありませんが、
選考基準にある「事業の独創性」「実現可能性」「収益性」
「継続性」「資金調達の見込」「認定支援機関による支援の確実性」
を満たすような書き方が重要です。


例えば「独創性」を満たすには、「当社の美容院は●●なので独創的です。」
と書くよりも、「従来の美容院は、××であった。

しかし、当美容室は●●であり~」と書く方が、
より独創性が引き立ちます。


■採択率は?

採択率は、これまでのところ約77%と高いです。
これには理由があります。今回の補助金の特徴として、
応募要件に「認定支援機関の承認印」と「金融機関の承認印」を
要求していますが、この「認定支援機関」と「金融機関」の2つの
フィルタによって、一定水準に満たない事業計画は除外されているためです。



■認定支援機関って何?

認定支援機関というのは、実績などから中小企業の支援に強いと
国に認められた、税理士・弁護士・中小企業診断士・金融機関
などのこと
を言います。上述のとおり、私も認定支援機関です。



■金融機関からの承認

そして、金融機関からは、事業計画が「融資決定」まではいかずとも、
「融資検討に値する」というレベルの承認印をもらう必要があります。

こちらも、認定支援機関と金融機関との関係性、金融機関との交渉の仕方、
金融機関自体のスタンスなどによって成否が変わってきます。

以上が、「創業補助金の概要」でした。

あなたの船出に、今、追い風が吹いています。
(12月24日まで。次回以降未定。)


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 『絶対に後回しにしてはいけない!知的財産権の話』#2

こんにちは、弁理士の服部耕市です。
前回は、知的財産権の後回しをやめる為にはその内容を具体的に知る
必要があるので、次回から具体的にお話しします、という予告をいたしました。
そこで、今回は知的財産権にはどのような権利があるのか、お話いたします。

突然ですが、皆さんは知的財産の「いしょう」ってご存じですか。
平仮名で書くのはずるい、と言われそうなので、漢字で書きます。
「意匠」と書きます。
どうです、漢字で書いても意味が分からないでしょう。
こんな言葉、普段使わないですよね。

意匠。これ、馴染みのある言葉を使って分かり易く言うと、
「物品についてのデザイン」のことです(意匠法第2条第1項参照)。

例えば、携帯電話(物品)の未来的なデザイン、靴(物品)のオシャレなデザイン、
ボールペン(物品)の握りやすいデザイン等です。デザインは商品(物品)の
売れ行きを大きく左右することから保護の対象になっています。

このような意匠を保護するのが意匠権です。
意匠権を取得すると、その意匠及び類似する意匠を独占排他的に
実施することができます(意匠法第23条)。

このように「物品についてのデザイン」の保護も知的財産権の範疇です。

知的財産権の全般を説明するのに、意匠権を最初に説明するのは
とても珍しいことです。

そんな解説本、知りません。
普通でしたら、最もメジャーな特許権から説明します。
私自身、初の試みです。

意匠権を最初に持ってきたのには理由があります。
それは、知的財産権は有名な特許権や商標権、著作権だけではない
ということを皆さんに知っていただきたかったからです。

いろいろな権利があることを知っていただき、事案に応じて
広く活用していただきたいと思ったからです。

「自分のビジネスには知的財産権なんて関係ない。」
「どうせ知的財産権では保護できないだろう。」

なんて最初から思わないで、

「どんな観点から知的財産権を使えるだろうか。」

ぜひ考えてみてください。
「そっか!」があるかもしれません。

知的財産権の主なものとして、
特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権があります。
この順番が普通です。普通の順番では、意匠権は3番目です。

なお、これらの他にも半導体集積回路の回路配置(半導体回路配置保護法)や
植物の新品種の育成(種苗法)等もありますが、
これらを利用するビジネスは ある程度限られていますので
触れないことにいたします。

①特許権
 特許権とは、技術的なアイディア(発明)を保護する権利です。
 特許権を取得すると、その発明を独占排他的に実施することが
 できます(特許法第68条)。

②実用新案権
 実用新案権とは、いわゆる小発明(考案)を保護する権利です。
 特許権と異なり、方式的な審査をパスすれば実体的な審査を経ずに
 登録されます。実用新案権を取得すると、その考案を独占排他的に
 実施することができます(実用新案法第16条)。

③意匠権
 意匠権の概要は上述の通りです。

④商標権
 商標権とは、自分が提供する商品・サービスと他人が提供する
 商品・サービスとを区別する目印(識別標識)となる商標を
 保護する権利です。
商標権を取得すると、その商標をその商品・
 サービスに独占的に使用することができると共に、他人の
 類似使用を禁止することができます(商標法第25条、第37条第1項)。

⑤著作権
 著作権とは、思想又は感情の創作的な表現である著作物を
 保護する権利です。
著作権者以外の者は許諾を得なければ著作物を複製、
 上映等することができません(著作権法第21条等)。


なんだか つまらない説明になってしまいました。
こんな説明をされても、イメージが湧きませんよね。

それでは、この説明ではどうでしょうか。
身近なものとして、携帯電話を例にします。

携帯電話の新しい機能を発明した場合、その新機能は、
①特許権で保護されます。

また、操作スイッチの改良は、②実用新案権で保護され、
デザインは、③意匠権で保護されます。

さらに、携帯電話に付されるブランド名は、④商標権で保護され、
製品カタログに使用されている文章や写真は、⑤著作権で保護されます。

なお、携帯電話内のコンピュータに使用されているプログラムは、
①特許権でも⑤著作権でも保護可能です。

イメージできたでしょうか。これは一例です。
イメージし易いように工業製品を例にしましたが、
インターネットを利用したビジネスやリアル店舗ビジネス等でも
知的財産権の活用は可能です。


例えば「発明」と言っても、物の発明,方法の発明,生産方法の発明
というように複数のカテゴリーがあります。
いろいろな使い方が考えられます。

あなたのビジネスに既存のビジネスとは異なる新たな創作や工夫があれば、
どのような権利が使えるか ぜひ考えてみてください。

今まで諦めていたビジネスの保護が可能になるかもしれません。
なお、特許出願せずにあえてノウハウにする、
なんて言うのも知財戦略の1つです。

このように各権利は性質が異なっており、使い方も異なります。
次回から一つずつ具体的に説明しますね。

もしかしたら、見逃していた利用の仕方に気づくかもしれませんよ。
お楽しみに!

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