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『売れない時代だからといって“値下げ”してモノを売るな! 』 

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『売れない時代だからといって“値下げ”してモノを売るな! 』 

※本内容は大前研一通信(2011年8月号)ならびに
 週刊ダイヤモンド(2009年4月25日号)に掲載されたものを
 特別編集しました。内容の転記等はご遠慮ください。
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● イソギンチャク状態の消費者

私は今の消費者の心理状態を「イソギンチャク」と呼んでいる。
普段は触手を広げているが、指を突っ込んだら一瞬で閉じてしまう。

日本の個人や企業はお金を持っていて、買う能力は十分にあるにも
かかわらず、である。

今はクルマを買わずに貯金しよう、旅行行かずに貯金しよう、
という選択をしている。
つまりメーカーやサービス業にとっての競争相手は、貯金。
「貯金崩してでもこれがほしい」と気持ちにさせることがいま求められている。


●「顧客の庭で考える」

いま、企業がすべきなのは顧客の感情についての研究。
顧客が1万社いるならば、10%の1,000社に足を運んで、
購買心がどのようになっているか、つぶさに聞いて回るべきだ。

自社の製造現場や経営企画室でデータを見ながら考えていてはいけない。
データは初めに仮説をたてたり、最後に計画を検証するためのモノで、
発想を出すためのものではない。


● 顧客本位で考える

いくら多機能の家電を揃えていても、家の中はまったく適切な環境に
なっていないし、大半の機能は一度も使われていない。

テレビとパソコンと音響機器がつながっていなかったり、
家族4人のパソコンがプリンタと共有されていなかったりする。
専門家を呼ばないと環境を構築できないのだ。

パソコンの設計者は全く知らない。
メーカーには自分たちが一番よく知っているという驕りがあるのだ。

設計者は過程を回り、「このパソコンに備わる200の機能のうち
いくつ使っていますか?」と聞いてみるといい。
普段使っているのはおそらく3つか4つだろう。

注意が必要なのは、顧客の庭で考えることと、顧客の意見をそのまま
受け入れることは異なるということだ。
皆のニーズに合わせたといいながら、誰のニーズにも「強く」あっていない。
そういうモノは誰も熱狂的にほしがらない。

「熱狂的」という言葉はマーケティングでは非常に重要なキーワードだ。
商品開発にあたってはこのことを強く意識した方がいい。
特に不景気の時は多くの人が欲しがるモノよりも、
少数の人が熱狂的に欲しいモノのほうが当たるのだ。

「熱狂的」な商品であれば、消費が冷え込んでいる時でも価格を維持できる。
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