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【3】【完結編!】 『 お金の取れる頭脳ノート ~これぞ「知の蓄積」40年の集大成 』

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【3】【完結編!】『大前研一の「お金の取れる頭脳ノート」 
           ~これぞ「知の蓄積」40年の集大成 』 

※本内容はプレジデント7月19日号に掲載されものを特別編集したものです。
 内容の転記等は不可ですのでご了承ください。
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■巨大方眼紙には左下から右上に書く

思考を整理するノートとは別に、マッキンゼー時代から何か新しいことを
考え出さなければいけないときに使っていたのが、方眼紙のような網目が
入った大判の特製用紙だ。

これはもともとマッキンゼーが持っていたツールではなく、私が開発して
作らせた特注品。欄外の余白には「so What」「MECE」「Zero-based Thinking」
などいいアイデアを出すためのマッキンゼーの呪いのジャーゴン(隠語、業界用語)
を薄い文字で入れた。

思考のキャンバスのようなものだから、文字を書き込もうが絵を描こうが自由
である。ただし、私はこれを左下から右上に向かって横書きで使う。

通常のノートは罫線に沿って左から右、そして上から下に横書きで使う。
しかし、きちんとノートを使うというのは言語や論理を司る左脳的な作業であり、
直感、創造、洞察といった右脳の働きを刺激しない。
まともにノートを使っても、なかなかいいアイデアは出てこないものだ。

夜汽車に乗ったとき、必ず私は進行方向に向かって左側の窓際の席に座ってものを
考える。夜汽車だから窓の外の景色はほとんど見えない。
電灯の光が時々走馬灯のように過ぎてゆくだけ。しかしその電気信号のような刺激を
左目が感知しているとき、ひらめくことが多い。

同じ夜汽車でも右側の席ではさっぱりだし、昼間の電車や飛行機ではまるでひらめか
ない。何かひねり出さないといけないときは、夜汽車の左側の窓際を陣取るに限る。

あくまで経験則であり、脳科学的な裏付けがあるわけではないが、右脳を働かせる
には左目に刺激を与えることが大切だと私は思っている。
だから左目で見て右側の空間に向かって発送が広がっていくように、この巨大方眼紙
でも左下から右上に向かって描くのだ。マッキンゼー時代は「アイデアを出すとき
にはこれを使え」と推奨していたが、どうせ私がいなくなれば誰も使わないだろう
ということで、辞めるときに用紙も全部一緒に持ってきた。
現在もBBT(ビジネス・ブレークスルー)バージョンを作って、じっくりと考える
ときに活用している。

BBTで私とミーティングする際、社員は私の部屋に呼ばれて、この白い用紙の上で
たっぷり頭を絞られることになる。もちろん録音機も同時に回させる。
録音機を忘れたらミーティングはお流れとなる。発想というのは二度と出てこない
ことがあるので、すべて記録しておく必要があるからだ。
また私が考えたことを誰かに実行させるときにも、アウトプットのイメージを共有して
もうらうために必ずこの用紙と録音を使って普及してもらう。

■RSSで情報収集、メモ書きはパワポで

デジタル化でツールが進化しても、ノート術のアナログ的な要素は昔と変わらない。
ノートやメモ帳がパソコンになっただけのことである。

先日も国土交通省の成長戦略会議があって、前原誠司国交大臣から「成長戦略の
提言を批判してくれ」と頼まれたので、戦略会議のメンバーと国交省の役人30人ほどが
集まった席で、「提案書は優れたものだが、方向性ばかりで、明日からどう実行したら
いいかもっと具体的に書いたらどうか」と言ってきた。

要するに昔事前に書き出していたメモ書きをパワーポイントに書き換えただけのもので
ある。成長戦略のどくに問題があるのか。ポイントはこれとこれ。
明日から行動できる具体例としてフラグシップ1、フラグシップ2・・・という具合に
朝一番で直前にちゃちゃちゃっと作った。

パワポで書けば横書きであるし、文字も大きくなるから読みやすい。
図版なども簡単に入れられる。自分も読めないような昔の手書きメモより、よっぽど
見栄えがいい。メモを欲しがる人も多いので非常に便利。
最近はもっぱらUSBメモリーを世界中どこにでも持っていって、プレゼンの後に欲しい
という人にはデータをそのまま渡している。

iPadやiPod、iPhoneのような新しい情報デバイスはBBT大学院の授業にはいち早く
取り入れている。しかし入力の遅さが気になって、私にとってはまだ使い勝手が
いいものではない。

情報端末として一番重宝しているのは「エアキャンパス」のブラウザだ。
エアキャンパスはBBTが開発した遠隔授業用のプラットホームで、これ一つで手持ちの
パソコンからいつでもどこでもサイバー授業が受けられるし、クラスのディスカッション
にも参加できる。6,000時間のコンテンツを簡単に検索して見ることもできる。
私にとっては高校生から社会人まで私の授業を受けている1万人の受講生にサイバー
空間で毎日会えるので大変便利。

またエアキャンパスのRSS(サイトの更新情報をまとめて配信するシステム)機能を
使えば、瞬時に世界中の情報ソースから最新の新聞記事が自動的に送られてくる。

私はもう長らく新聞を取っていないし、テレビのニュースも見ていない。
ニュースの仕入れはほとんどがサイバースペース。
といってもGoogleニュースなど、恣意的に集められたニュースなどは読まない。
「世界経済」「日本経済」「地方自治」「重要な国の地政学的変化」など自分が
興味のあるカテゴリー別にRSSを活用して、自分にとってのトップ記事を幅広い
情報源から集めている。

一日に集まってくる情報は500件。一週間で焼く3500件分の記事を読み、必要と
思われる情報はコピー&ペーストしてスタッフに送る。
スタッフはそれをパワーポイントで整理し直し、再度私が内容を確認して削ったり
加えたりして加工。その内容を毎週日曜日にCSで放送している「大前研一アワー」で
視聴者に向けて解説し、さらに翌週にはエアキャンパスのサイバークラスでその
情報についてディスカッションをする。

こうして一つの情報を自分で加工しながら4回見直す作業を10年以上、一日も欠かさずに
続けてきた。ここまで情報を噛み尽くせば、まず忘れることはないし、ニュースの背後に
ある意味合いも、件のノート術で思考を整理する。
どんな取材や講演でも最新情報に独自の分析を加えて話ができるのは、こういう作業を
40年近く休むことなく続けているからなのだ。
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【3】『 お金の取れる頭脳ノート ~これぞ「知の蓄積」40年の集大成 』

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【3】『 お金の取れる頭脳ノート ~これぞ「知の蓄積」40年の集大成 』 

 ※本内容は、プレジデント7月19日号に掲載されものを特別編集したものです。
  内容の転記等は不可ですのでご了承ください。
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■1テーマ1ページで思考の流れを整理

私にとってノート術というのは他人の話を書き留めるためのものではない。
あくまで自分の思考を整理するためのものである。

たとえば差し迫った講演やミーティングがあるときには、早朝の1~2時間
デスクに向かって、時には風呂場やトイレで、あるいは行きがけのクルマの中で、
気合を入れて今日の話の内容を考える。
相手がどんな話を聞きたがっているのかを想定しながら、こちらとして言って
おかなければならないことをメモにパパパッと書き出していく。

何か一つのテーマに関して、頭の中にあるデータを取り揃えて一つの考え方の
塊にする。
「結論はこう。その理由はこれ、これ、これ、三つある」というピラミッド思考が
瞬間的にできるように訓練してきたから、テーマが決まれたすぐに書き出すものが
湧き出てくる。
最終的な結論は何か。その結論を導き出すための論拠、そしてイグザンプルは何か。
キーワードや数字、簡潔なセンテンスを交えて書き並べていく。日本語で話をする
場合には日本語で、英語で話をする場合には英語で。ちなみに私は昔から縦書きだと
頭が働かない。すべて横書きだ。

思考の流れを整理するのが目的だから、思いつくままにだらだらと何枚も書き連ね
たりしない。基本的には1テーマ1ページ。1枚のメモに思考の塊をパッケージする。
200万円の講演でも500万円の講演でも、30分の講演でも1時間半の講演でも
すべて同じだ。1枚のメモで事足りる。
それで、話が始まってみればいかにもその場で思いついたように話をする。
実際、メモは手元に置いているが、ほとんど目を落とすことはない。
一度話し始めれば、芋の地下茎のように考え方の塊がつながっているから、
聴衆から目を離さずとも話が自然に流れてゆく。
記憶でも記録でもない。要するに頭の中を整理するためにメモするのであって、
集中してメモを書いた時点で目的は十分に達している。
だからしばらく経ってから講演メモを読み返しても、何が書いてあるのかさっぱり
わからなかったりするのだ。


■『企業参謀』こそ、ノートのとり方の「実例」

私のノート術の原点は中学1年生のとき。音楽の先生から、聴いた音楽のメモを
取りなさいと言われたことがきっかけだった。
たとえばベートーベンの交響曲第6番『田園』の第一楽章はどういう楽想か、それを
聴いてどのように感じたか、音楽日記のようなものを書くように指導されたのだ。

品行方正(!)な大前少年は先生の言いつけを守り、大学院に行くまでの12年間、
クラシックを聴くたびに音楽日記をつけ続けた。
高校ではブラスバンドに、大学からはオーケストラでクラリネットを吹いていたが、
おかげでほとんどの作曲家のだいたいの作品が頭に入っている。

日々の出来事を振り返る日記の趣味はまったくないが、音楽日記をつけるように
なってから自分が考えついたことや学んで理解したことを書き出す習慣が
いつのまにか身についていた。
それを発送術や思考の整理術として仕事に本格的に活用するようになったのは
マッキンゼー時代だ。

当時は20代後半。それまでの9年間、大学と日立製作所で原子力ばかりやって
いたから、経営コンサルタントはまったく未知の世界だった。
そこでマッキンゼーがどういうことをする会社なのか、経営とは何か、まず自分なりに
気づいたこと、考えたことを大学ノートにメモして書き溜めた。
それがプレジデント社の編集者の目に留まって世に出たのが処女作である『企業参謀』
(プレジデント社)である。あの本は私のつけていたメモそのものなので、ノートの
取り方に関しては「実例」なのである。
つまり他人の言ったことでなく、自分が考えたことをその瞬間に自分を説得させるために
書いている。『企業参謀』は出版した1975年に16万部も売れた。英語版(『The Mind
of TheStrategist』)が各国語に翻訳されて世界中で読まれ、35年が経過した現在も
新装版がロングセラーで売れ続け、ビジネススクールや企業研修の場では戦略思考の
教科書としていまだに使われている。

マッキンゼー時代のノートの使い方も、要は自分が言うべきことを整理するためのメモ書き
である。大半はクライアントとのミーティング用のメモで、先方が抱えている課題に対して
提示するべき課題解決のポイントや新しいコンセプトを走り書きした。
時折、新聞や雑誌の記事依頼やテレビコラムの出演依頼があると原稿の構成を考えたり、
本をつくるときには、まず全体のアウトラインを考えて同じノートに書き込んだりしていた。


次号につづく

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