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現場の“計数感覚”、トップの“計数感覚”

 会社数字は、とても重要なのことですが、とっつきにくい、
 というイメージを持たれている方も多いようですね。

 『会社数字を理解させるプロフェッショナル』千賀秀信氏は、
 数字への苦手意識をなくし、会社・事業の経営判断に活かすための
 経営者視点での数字の見方を、長年ABSで教えていただいています。

 このコラムは、現在、メールマガジン[A/Styles]上で、連載中で、
 ストーリー仕立てで、架空の会社の経営活動を
 追っています。現場に即して 数字の仕組みをわかりやすくお伝えし、
 さらには、数字に現れない部分までを知ることで、会社数字の意味、
 そして会社や経営について深く理解していただきたいと思います。

 これまでのストーリーは下記のURLからご覧いただけますので、
 初めての方は、まずこちらからご覧ください


 ●バックナンバー
 ⇒ http://homepage3.nifty.com/maneji/meru1.htm


◆第14回 運転資金管理の難しさ


■売掛金管理の課題


 講師は、質問した。

  「運転資金の調達高の各項目を毎月チェックすべきなのですが、
   チェックするには問題があります。どのような問題でしょうか?
   一つひとつ考えてみましょう。まず売掛金はどうでしょう」

 受講生A 「売上代金である売掛金は、毎月チェックして請求しないと、
       資金繰り、特に入金管理ができなくなります」
 受講生B 「請求漏れという事態です。得意先の会社で、
       請求書の発行漏れがあって、翌月の給料の支払いに
       支障をきたしたと聞いています。

       わが社の請求の流れでも、営業部門から本社への報告を
       怠たったり、ミスすると、請求漏れということは考えられます」

 花田が口を挟んだ。

      「先日もある営業所の売上報告が遅れて、請求が1ヶ月ずれた
       事例がありました。商品管理部門が、出荷を管理しているので、
       遅ればせながら発見できますが、営業部門の方は、
       しっかり意識してください」
 
 受講生Cが花田の話を聞いて、

      「わが社は本社からの一括請求ですから、回収結果を
       営業部門に教えてもらわないと、回収するという意識が
       薄れてしまいます」

 講師   「ミナト商事にもいろいろ課題があるようですね。
       販売は、売掛金の回収(入金)を持って完了するのですから、
       営業部門の方は、しっかり意識する必要がありますね。
       そのための仕組み作りが大切です」

 新田は営業担当のときに、代金の回収時期をあいまいにして
 受注していたことを思い出していた。

 受注活動は自分の仕事だが、売掛金の回収活動は本社の仕事だ
 という意識が営業担当者にあることが、わが社の問題だと気付いた。

「これは早急に対処しなければ・・」と新田は思うのであった。


■買掛金管理の課題

 受講生D 「買掛金の管理は、われわれ営業にはできません。
       この点どうしたらいいのですか」
 
 講師   「それは本社購買部門の課題ですね。今月の支払いが
       いくらになるかは、資金管理上、とても重要ですが、
       確かに営業ではわかりません。営業部門が資金繰りに
       興味を持たない理由の一つです」

 新田は「これまで商品の販売のことしか頭になかったな」
 とあらためて考えさせられた。

 講師   「買掛金の管理だけなら、納品書と請求書に基づき、
       残高管理をしておけば、意外と容易です。
       先方が請求を出し忘れていることもあるので、
       この点は気をつけましょう」

 講師は続ける。

      「支払期限に資金が不足する場合、その資金を調達する
       必要がありますが、この業務は一部の管理部門に
       任されています。中小企業なら社長の仕事です。

       問題は、資金不足がなぜおきるかをしっかり把握して、
       事前にしっかり対応策を準備することです」

 新田は、支払いという重要な部分を、営業では経験できないという点が、
 問題を作り出していると感じていた。

 何かいい方法はないものだろうか?
 新田の悩みは尽きない。


■在庫管理の課題


 講師は、続けて説明する。

      「購買部門はできるだけ安く仕入れることを考えます。
       これに対して営業部門は、できるだけ早く納品
       できるように考えます。両者の考えを同時に満たすと
       どうなるでしょうか」

 受講生D 「たくさん仕入れると、仕入単価も下がるので、
       在庫切れがなくなります。営業部門にとっても良いことです」
 受講生E 「それでは在庫の増加を助長しませんか」
 受講生F 「E君に賛成です。在庫は悪であると教わったばかりですから」

 講師   「仕入れと在庫をバランスよく管理するためには、
       どうしたらいいでしょうか」
 受講生A 「どのくらい売れるかという情報に基づいて、
       仕入れればいいのでは」
 受講生C 「どのくらい売れるかわからないので、
       本部へは売らなければならない数量を報告していますよ」

 これを聞いていた花田が「C君、そんなことをやっているから、
 いつも在庫過多で、借金が増え続けているんだよ」
 とやや興奮して発言した。

 新田は「これだ。わが社の営業の問題だ」と気がついた。

 自分も本部からの売上予算達成への圧力で、達成すべき予算を、
 販売見込みとして報告していたことを思い出したのだ。

 講師は「なぜ在庫が増えるかの本質が見えてきましたね」と言う。

 講師   「在庫管理は、どのようにやっているのですか」
 受講生D 「半期に一度行っています」
 講師   「なぜ毎月行わないのですか?」

 受講生E 「毎月、在庫をチェックすると1日営業を
       休まなければなりません。活動に影響するので
       難しいと思います」

 講師は「これは、御社の資金不足の本質的原因ではないですか」と指摘した。

講師は続けて
    「大変だからやらない。在庫管理は意外と単純な理由で、
     おろそかになっています。運転資金の調達高という重要な
     経営指標もデータがしっかりしていないと、役に立ちません。
     計数管理では、元データの正確性が、必要なのです。
     在庫データに限らず、社員の協力が不可欠です」


 すかさず花田が発言した。

      「皆さん。在庫は、管理しないと増えるものです。
       仕入れと販売が連動していないところが問題です。
       この点をこれから改善していかねばなりません」

 まるで研修ではなく、社内会議のようである。
 新田も、自分の考え方、行動に間違いがあったことにあらためて気付かされた。
 ここでは黙っていることにした。



 Q:運転資金の調達高(売上債権+在庫-買入債務)の増加が、
   営業キャッシュフローを減少させることを説明できますか?

 
 関連説明は、「会社数字のコツがハッキリわかる本」
 (千賀秀信著 ダイヤモンド社)のp66-67を参照してください。


 この問題に対する皆さまから解答を募集しております。

 ●年齢、職業を明記の上、この記事へのコメントとして、
  回答を掲載してください!



 さて、前回の問題
 「Q.運転資金の調達高の各項目をチェックすべきなのですが、
 チェックするには問題があります。どのような問題でしょうか?」
 については、回答をいただきました。


 ●バックナンバー
 ⇒ http://homepage3.nifty.com/maneji/meru1.htm



 ◆回答(1)
   単純な計算だけでは、どのお金をすぐに返済しなくてはいけないのか?
   どのお金はせかされないお金なのか?を見落としてしまいがちになる。
   (会社経営者)

 ⇒買掛金の支払いに関する解答ですね。支払いはルールに沿って
  粛々と行い、仕入先から信用を得る努力をしましょう。
  仕入先ごとに支払い態度を変える方法はしない方がいいでしょう。
  こちらの資金繰りを見透かされてしまいます。

  売掛金の回収の視点では、得意先ごとの与信管理を徹底して、
  支払い条件がよく変更される得意先に注意を払いましょう。
  資金繰りに困っているかもしれませんから。

 ◆回答(2)
 必要な運転資金の額がわかっても、それをどこから調達するかの
 見込みや、調達計画がなければいけない。(元ABS受講生)

 ⇒調達先に関する注意点ですね。この点は大切ですね。
  しかしQuestionの本質は、運転資金の調達高をいかに減らすか
  という前提で質問しています。これに対する解答ではありませんでした。

  本文にあるように、特に在庫数量チェックが毎月行われないため、
  運転資金の調達高が正確に把握できないのです。
  全社員の理解と協力体制が必要です。ミナト商事も今回の研修で、
  社員はその点を学んでいるはずです。


 ●バックナンバー
 ⇒ http://homepage3.nifty.com/maneji/meru1.htm
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