06年2期開校式講義録

大前塾長が予定時間を大きく越えて熱く語った5時間!
私は何度も大前塾長の話を聞いてきていますが、今回
新たな発見がいくつもありました。


◇講義前半2時間は、事業を継続して成長させる上でのヒントとなる
 グローバルな視点からの事例を数多くひかれました。
 そして、起業をするにあたり最も必要なことについての話と
 今読むべき最も重要な3冊の本を上げられました。

◇後半3時間は「そのような発想を大前塾長がどのように行っているか」
 についてどこにも出していない体系化された理論を話されました。


今日は前半の事例部分からピックアップしてお伝えしようと思います。

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●大前塾長 2006年4月23日 講義録 抜粋

ビジネスを行う上でヒントとなる話を二つ話そうと思う。

 1つはアクティブシニア層、
 もう1つは価格最適化である。


●アクティブシニア層について。

そもそも日本人はライフ設計が間違っている。
何のために金をためるのかと聞けば、いざという時のためというが
いざという時なんてこない。日本人は死ぬときに3500万円も
持ったまま死んでいくのだ。

事業をやろうと思ったらこの層をターゲットとするのがよい。
何しろこの層にはいっぱい金がある。高齢者相手のビジネスは
これからいくらでもできるだろう。

中でも最も注目すべき層は団塊の世代。2007年から引退が始まるが、
この層はまだまだ遊びたいと思っている。

このアクティブシニアと呼んでいる世代は、従来の高齢者とは
全然違う立ち振る舞いをするだろう。いい提案があれば金も使ってくれる。

この層の持つ金をマーケットで使わせるというのがある。

具体的には住宅のリバースモゲッジなどがある。
ローンを払い終わった住宅を賃貸にしたり、売ったりして、
セカンドホームを買うなど色々使わせ流動化させる。

こうして彼らが死ぬときには「やりたいこと全部やった。」という状況を
作ることが巨大な市場となる。


●価格最適化について

世界的に見ると住宅にしても食料品にしても標準の価格がある。
そういうものをこの国に導入するための規制の撤廃、偏見の撤去
が必要だ。

日本人の中には、どこ産のなにがおいしい、などあらゆる偏見を
もっているが、これを除くことが商売になる。
これを取り除くことができれば本当にうまくて、安くて、健康な
ものを提供できる。

例えば住宅がその例として挙げられる。
住宅の耐用年数は日本の建築基準法は30年だ。ドイツは140年。
アメリカだって80年。

人生80年の時代に30年しかないようなものなら仮設住宅ではないか。
建築基準法に準拠していたって30年で終わりなら、東京は
85%が30年以上の古い家だから、震度5以上の地震がくれば
ほとんどどの家も倒れる可能性があるということになる。

そうなれば、姉歯マンションの人だけ助けるというのでは、
十分でないといえる。

阪神淡路大震災のときは当時の建設省が反対していた2×4の家だけが
残った。

これらの事例から見ても、これからの事業機会とは、
最も優れているもの、世界で一番いいと
思われているものをこの国、日本にもってくるということだ。
そうすることで値段は安くなり、もっといいものになる。

値段が現状と4倍以上差があるものに手を付ければよい。
例えばタオル。トルコでは最高品質のものが安くつくられており、
それがイタリアにいってMADE IN ITALYとして高く売られている。

このように世界を見ると内外価格差4倍以上というのがざらにある。
食べ物にもあるし、衣服にもあるし、家具にもある。
だからそういうところからヒントを得て事業を作るということは
十分可能なのだ。これだけ世の中には事業機会があふれているのだ。

⇒講義録にリンク(講義風景など写真あり!)
  http://www.attackers-school.com/lecture/02_kaikou.html

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講義録はここまで。

少し、この先を考えてみましょう!


□1、アクティブシニアの市場を、[Fast-Forward]の視点で
   眺めてみるとどんなことが考えられるだろうか?

  *[Fast-Forward]の視点 (大前講義 4月9日より)
    全ての新しい概念というのは、実は小さなスケールで既に
    存在しているということだ。そしてそれを大きく拡大させていく。
    新しいものは突然来るものではなく、、、
    ⇒http://www.attackers-school.com/lecture/01_sotujyuku.html


□2、あなたや、周りの人が持っている根拠のない偏見は一体なんだろうか?
   海外にいって価格の差に驚嘆したものはなんだろう?

 
□3、1、2、を書き出し、これらを組み合わせた事業アイデアを
   5つ出して、友人にメールしてみよう!



自分で考えて、書き出し、そして行動する人のみ果実を得ることが
できるはずです!是非トライしてみてください。



この文章は大前研一のアタッカーズ・ビジネススクールが発行するメルマガ【情熱DNA】(まぐまぐ殿堂入り)にて配信した内容です。ご登録いただければ毎週水曜日、お手元に届きます。こちらから

山形大学大学院理工学研究科ものづくり技術経営学専攻教授 志村勉氏

今回ご紹介するのは、事業家というわけではありません。

自身の思い、成し遂げたいと考えられていたプランを実現するために
橋梁建設での輝かしい実績を捨て、教授になるという選択をされました
方をご紹介いたします。

志村勉氏
現在、山形大学大学院理工学研究科ものづくり技術経営学専攻教授
   工学部キャリアサービスセンター副センター長

思いを実現するかたちとして様々なかたちがあると思います。
その一例として、大学教授という選択をし、そのリソースを使って
新たなビジネスを展開していこうと、既成概念を打ち破り突き進む
志村さんのストーリーを紐解こう!


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                (Q、松澤 / A、志村さん)

Q、志村さんはABSを卒業後、国立大学の教授になられたのですよね。
  今回は改めて宜しくお願いいたします!

  始めにこれまで取り組まれてきたビジネスなど、簡単な
  プロフィールを教えていただけますか?


A、まず、大学時代に橋の写真集に魅せられ、橋梁建設のトップ企業へ
  入社しました。15年間橋梁の設計に携わり、レインボーブリッジ
  をはじめ地図に残る大小30以上の作品を世に残してきました。
  その間、早稲田大学で工学の博士号も取得しました。
  
  そして橋での夢を実現したと考え、次なる夢をビジネスでの成功で
  あると据えました。そこで早大ビジネススクールに通い、
  修了後、事業企画や経営企画部門に移り企画マンに
  転進しました。更にベンチャー企業の設立と経営も経験もしました。
  
  ビジネス展開を模索する中で、テーマにしていた技術経営(MOT)
  とキャリアデザインを極めるため、2005年11月より
  山形大学教授に転身しました。

  専門は、市場創造、イノベーション、組織・人的資源管理および
  キャリアデザインになります。


  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Q、それでは現在の仕事内容を、具体的に教えてください。


A、大学では講義と研究が中心ですが、新たな教育プログラムの
  企画と開発も行っています。大学院の講義は技術経営学(MOT)
  専攻ということもあり、社会人が多いことから平日の夜と土曜日に
  行っています。通信教育との併用で隔週の土曜日だけでも修士の
  学位取得が可能なため、岐阜から通っているつわものもおられます。
  凄いですよね。

  また、キャリアサービスセンターの副センター長として、
  学生や社会の若手人材向けにキャリアデザインの支援や就職活動の
  支援も行っています。最近ではキャリア採用を希望する企業も
  増えてきたことなどから、今後は卒業生や企業などの若手人材を
  対象に再教育を絡めた企業とのマッチング事業を展開していく
  予定です。ここは、大学のセンターである強みが生かせる部分です。
  
  大学の外では国の委員会や学会活動などに加えて、企業や官公庁
  向けのコンサルティングや教育なども行っています。今後は、
  臨床経験を増やす意味でもコンサルティングの仕事に力を
  入れていきたいと思っています。


  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Q、ところで、受講後、大学教授になられたかと思いますが
  どのような経緯だったのかお教えいただけますか?


A、私は、もともと技術者だったのですが、日本では技術者の社会的な
  地位も低く、また多くの技術者が実務現場で日々の作業に
  忙殺されていて、欧米の技術者との違いが気になっていました。

  そんなことから、自分の中では「日本の技術者を輝く場所へ」
  と言うテーマが芽生えてきて、自分が出来ることを色々考えて
  いました。出来れば自分の仕事として取り組んでいけたらいい
  と考えていたのです。

  そんなときに、ABS18期でビジネスプランのワークがあり、
  私はMOT(技術経営)と言う切り口で技術者を再生する
  教育コンテンツビジネスを練りました。

  講師の村山さん(企画発想力養成講座、収益モデル構築講座
  担当講師;松澤注)をはじめ、多くの方々から賛同いただけたの
  が励みにもなり、是非実現したいと考えるようになったのです。

  その後、事業化を模索する中で権威者とのコラボの重要性を
  認識するも、権威者に依存するリスクを感じていました。
  それならば、自分が権威になれないものだろうか?と
  無謀なる挑戦を決意したのです。
 
  それで、MOTを扱える大学を目指しました。公募情報を
  いろいろと調べて、希望にピッタリだった山形大学に応募
  したのです。たいへんに狭き門でしたが、幸いにも採用
  されました。自分を売り込むための戦略の勝利だと思いますが、
  これもABSで学んだ賜物だと思っています。


  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Q、ABSが役立ったとお聞きでき大変うれしいですね。。
  順序は逆ですが、ABSを受講しようと思われた経緯を教えて
  もらえますか?


A、当時、私は企業の中で事業企画を担当していました。新規事業も
  範疇であり、実際にも幾つか手がけておりました。しかし、
  どうも自分の中でしっくり行かない状況を感じており、
  突破口を模索していたのです。

  そんな折、ネットサーフィンをしていて”ビジネス構想力養成講座“
  なるものを見つけたんです。それが、当時ABS17期で開講された
  村山さんの講座でした。

  大前研一氏の学校ということや、スクールの理念にも共感して
  いましたので、それに吸引されたことも動機の一部でした。
  しかし、何といっても講師の村山さんの魅力ですね。


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Q、ABSで学ばれたことで具体的に役立った点はどんな点ですか?


A、コンセプトとターゲット設定の重要性と考え方を深く理解できた
  ことは大きかったです。それまでも、もちろん意識していたし
  重要視もしてきました。しかし、自分で立てたプランを通じて、
  実践の中でアドバイスを受ける方法は自分の中でフェィズが
  一つ変わった気がしました。これは、教育者になった私としては、
  教育法としても大変参考になるものです。

  それと、価値設計の方法論も役立っています。教育プログラムの
  企画も含めて、いろんな局面で常々活用しています。
  これは、一生の宝物として更に育てて行きたいと思います。

  その他、学んだことは沢山ありますが、何よりも得られた
  最大の成果として素晴らしい人脈が出来たことです。
  講師だった村山さんをはじめ、ビジネスに対して情熱的に取り組む
  多くの仲間と知り合えたのは財産だと思います。



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ここに↓村山講師と志村さんの“創造性とは何か”の掛け合いブログが
あります!◇必見 http://www5e.biglobe.ne.jp/~muraryo/page075.html
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Q、受講前はどんなことをされていらっしゃいましたか?
  実績なども含め教えてください。


A、橋梁の設計を30橋以上やりました。プロフィールとしても紹介
  しましたが、レインボーブリッジは思い出深い作品です。
  横浜ベイブリッジの設計や本州と四国を結ぶ、しまなみ海道の
  建設プロジェクトにも関与しました。米国で開催された
  橋梁の国際会議では、日本を代表して講演したこともあります。
  そんなことで、ある意味で橋梁では権威者の端くれだったと
  自負しています。今だから言えるんですが。

  その後、企業の技術競争に向けた技術開発をメインに
  取り組んでいましたが、現在では高速道路等でも標準的に
  作られている構造形式の開発に関わった経験が、
  凄く自分の中で自信になっています。

  その後、多角経営をしている同じ会社で事業企画と経営企画
  に携わっていました。
  各事業部の戦略的な部分での支援や、全社的に取り組むべく施策を
  検討して実施する役割です。不良資産の売却にも関わり、
  アイデアと行動力勝負で大きな成果も挙げました。また、
  新規事業を模索する中では子会社の設立から経営もやらせていただき、
  非常に広範で大きな仕事にいろいろ携わさせていただきました。
  本当に感謝しております。

  後半の成果は、ABS受講の賜物かもしれません。


  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


Q、今後、大学で実行しようと実現しようと思われていることを
  教えてください。


A、先に触れましたが、若い人達、特に技術者を、一人でも多く社会で
  輝ける場所へ送り込むのが私の夢です。したがって、大学教授
  となって頑張ることだけが目的ではありません。

  しかし、まだまだ私自身がそれらを推進するための知識と経験が
  不足しています。まずは、分野で第一人者になれるよう、必要な
  ことにいろいろと全力で取り組みたいと思います。そして、
  ある程度力が付いたらコンサルティングや教育を、ビジネスも
  含めて強力に推進したいと思っています。また、信用の裏づけと
  なるよう、書籍の出版やマスコミデビューも視野に入れております。


  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Q、少し大げさかも知れませんが、志村さんの人生に取ってABSが
  与えた影響はどのようなものでしたか?


A、ビジネスでの成功を夢見ていましたが、どんなビジネスに取り組むかは
  正直明確になっていませんでした。早大ビジネススクール時代も
  ビジネスプランニングコンテストで1位になったりしましたが、
  そのビジネスも自らが燃えるようなのではありませんでした。
 
  しかし、ABSの受講をきっかけに、将来の目標が明確になった
  気がします。それは、講座での実習に人一倍本気で取り組んで
  掴んだスキルとともに、同じような強い思いで取り組んだ、
  戦友達とのつながりから得られた意欲の醸成によるものと思います。
 
  そのような意味で、私の人生のプラスの転機をもたらして
  いただきましたし、進んでいく上で必要な心構えや考え方を
  学んだ気がします。

  ということで、たいへん大きな影響を受けたのではないでしょうか。


  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Q、最後に、人生でどのようなことを達成されたいと思われて
  いるか教えてもらえますか?

A、とにかく世の中にプラスの影響を及ぼしたいと思います。
  多くの人達が、いきいきと輝いている社会が実現すれば本当に良い
  と心から願っています。それに向けて、自分の出来ることを
  最大限に実行していきたいですし、少しでも貢献できたら幸せです。


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*いかがでしたか?

 志村さんは2期のTA(ティーチングアシスタント)を依頼させていただき
 快諾いただいております!

 国立大学の大学教授が、TAですからすごいですよね。
 志村さんも受講生だったこともあり、受講者の立場も講師の立場も
 分かる最強のスタッフィングだと思います!
 
 対象は、企画発想力養成講座、収益モデル構築講座です。
 残席は数席ございますので、短期間で飛躍的な成長を求める方は
 是非、お越しください!!(生ぬるさはないので、覚悟を決めて、どうぞ)

心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす

shinnnou


第7回目は、2005年にダイヤモンド社から刊行され、
マーケティングの未来を占う意味でも貴重な1冊と言える、
『心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす』を取り上げます。
この本は、発売以来様々な反響があり、良書であるという意見から、
実践的とは言えないアカデミックに偏った書籍であるというように、
意見が分かれている書籍です。

実際ボリューム感があり、頭が混乱する点もありますが、
アントレプレナーを志す皆様は、ぜひざっとでも目を通していただき、
この本に書かれている、これからのマーケティングのあり方や可能性に、
ぜひ触れてみてください。
きっとパーセプション(知覚や考え方)が変わると思います。


○〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜○
  【心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす】
    ジェラルド・ザルトマン(著)  ダイヤモンド社
○〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜○

書籍紹介をするにあたって、どうしてもマーケティング関連の書籍を
紹介したいと常々考えていました。アントレプレナーにとっては、
価値を作り出し、その価値を適切に伝え、その対価として収益を得る行為、
すなわちマーケティングが、事業の生命線だからです。

特にスタートアップの起業家にとっては、会社の戦略=マーケティング戦略
であり、マーケティングに弱い経営者が率いる会社は、それだけで
十二分にリスクを抱えていると言っても過言ではありません。

事実、コトラーと並ぶマーケティングの大家であるセルドア・レビッドも、
名著『レビッドのマーケティング思考法』の中で、「CEO(最高経営責任者)
の仕事は多岐に渡るが、なかでもマーケティングに対する理解と責任が
最も強調されるべきだ」と述べています。
(なお、この書籍についても、いつか改めて紹介したいと考えています。)

その上でご紹介する、今回の『心脳マーケティング』ですが、
あえてありきたりのマーケティング書籍ではないという前提でご紹介します。

この書籍は、今まで様々なマーケティング関連の書籍が発売される中で、
少し異質な書籍であると言えます。なぜならば、とても新しい考え方や
テーマを扱っているためです。

従来のマーケティング書籍の多くは、顧客のニーズにフォーカスをあて、
いかにして顧客が欲しいものを作り、販売していくかがポイントとなりました。
その前提には、顧客は自らが欲しいものを合理的に判断し、脳を使い
言葉で考えたことを行動に移している、という考え方が基礎にありました。

一方この書籍では、顧客自身が欲しいものや、自分自身の本音を
すべて理解していないという視点に立ち、以下の様々な分野を複合的に
取り扱い、新しいマーケティングをあり方を述べています。

 ■神経科学、言語学、人類学、進化心理学などの複数の専門分野
 ■新しいアイデアと、それによって必要となる新しい思考プロセス
 ■意識と無意識
 ■人間の心、脳、体、社会
 ■メタファーの効果と人間の思考におけるその役割
 ■言語表現と非言語表現
 ■全人類に共通した認識と価値観
 などなど

特に、最近注目されている“脳”に関する研究分野である大脳生理学や、
行動心理学といった、先端分野の研究テーマが盛り込まれています。
そして、これらの分野を有機的につなげ、顧客自身が気づいていない無意識
や潜在意識にフォーカスして、深層レベルでの心や脳の動きを捉え、顧客の
声を明らかにしていくといったアプローチ方法について書かれています。

私自身、正直言ってこの書籍の内容を100%理解できたわけではありませんし、
特に後半以降書かれているような、顧客の本音を探る手法に対して、
その実践度や効果については、疑問符がつく場面もあります。

しかしそれを持ってしても、ここに書かれているような考え方や意味合いには
大いに共感できますし、アタッカーズ・ビジネススクールでも提供している
「感性マーケティング講座」のコンセプトと相通ずるところがあります。

現代は、あらゆる分野が細分化し専門化が進んでいます。それゆえに
アントレプレナーを志す皆様にとっては、ポストモダンと言われる時代の
流れをつかむためにも、様々に専門化された各分野を統合して、そこから
結論を導き出せる知見や知恵を、身につけていただきたいと思っています。

その考えを実践する意味でも、『心脳マーケティング』は、
大いに役立つ示唆を与えてくれる書籍だと思います。


そこで、改めて新しい価値を生み出すアントレプレナーを志す方々は、
以下の点を意識しながら本書を読んでみてください!

 1、本書の中で述べられているコンセプトや考え方を
   大枠でも良いので、自分の五感で感じ、そして理解し、

 2、ご自分の手がけられている分野にこの考えを応用し、
   新しいアプローチを試みて、

 3、さらにご自分の専門分野に関係なく、脳、心理学、歴史など、
   今後のマーケティングに多大な影響を及ぼす各分野について学習し、
   異なる分野の考え方から学べることはないか、それらを統合させたら
   どうなるかを深く掘り下げる

 をトライしながら読まれてはいかがでしょうか?


これからの時代をリードし、新しい価値を作り出すには、この書籍の
キャッチコピーにもあるように、「心―脳―体―社会」を統合する
新しいマーケティングパラダイムが必要だと思います。

ぜひその意味するところを考え、考えそして、考え抜き、
実行に活かしてください。



この文章は大前研一のアタッカーズ・ビジネススクールが発行するメルマガ【情熱DNA】(まぐまぐ殿堂入り)にて配信した内容です。ご登録いただければ毎週水曜日、お手元に届きます。こちらから

アレキサンダ−大王(古代地中海世界) 前356年〜323年

第五回目は、古代世界の大英雄、アレキサンダー大王の偉業と、
彼の資質の欠陥について考察してみます。
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第五回 〜自己制御力〜
 アレキサンダ−大王(古代地中海世界) 前356年〜323年
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トランプの中の4つのキングには、実在のモデルがいる
ということをご存知でしょうか?

それは、カール大帝、ダビデ王、この連載でも取り上げたカエサル、
そして、アレキサンダー大王です。
これは、この4人が、ヨーロッパ(地中海世界)の歴史の中でも
抜きん出た存在として見られている証拠ではないでしょうか。


そのうちの一人、アレキサンダー大王は、ギリシアのマケドニアを
母国とし、ペルシアからさらに東、遥かインドまで遠征を行い、
当時の地中海世界で知られていた地図の範囲の大半を征服する
という、その時代においては、人知を超えた存在でありました。

また、独創的な戦術により、4〜5万の兵力で、
その10倍におよぶペルシア軍を打ち破るなど、近代の軍人が、
その戦術を研究対象とするほどの軍事的天才でもあります。

父が暗殺されたために、彼は若くしてマケドニアの王に
即位することになりました。そのとき、彼は弱冠20歳。
そして25歳でペルシアを征服してしまいました。
当時のペルシアは、現在のトルコやエジプトのあたりから
インダス川の周辺までを支配する一大帝国です。

アレキサンダーは現在のイラクの地で、敵である
ペルシア王ダレイオス3世を破り、ペルシア帝国を
事実上の崩壊に追い込むと、その後も東征を続け、
実に10年間に及ぶ遠征を行ったのでした。

しかし、その遠征の途中、彼は33歳の若さで
熱病におかされ、短い生涯を終えてしまったのです。

彼には深酒をするクセがあり、死の直前も連夜の宴会を開き、
酒を飲みつづけたため、体を壊してしまい、それがもとで、
病気にかかってしまったのでした。


イギリスの歴史家トインビーはこう言っています。

「彼が病気から回復していたら、インドを征服した後、
 中国に攻め入り、旧世界全域を統一し、そして現代の
 世界はアレキサンダー35世の支配下で安泰である」

しかしこれは決して実現することはありませんでした。


イタリアの高校の歴史教科書にはこう書かれているようです。

「指導者に求められる資質は、次の5つである。」
 
 ◇知力
 ◇説得力
 ◇肉体上の耐久力
 ◇自己制御の能力
 ◇持続する意思


アレキサンダーには独創的な戦術を生み出す「知力」や、
10年間も遠征を「持続させる意思」はありました。
しかし、彼にもっと「自己制御の能力」が
備わっていたとしたらどうだったでしょうか?


彼の死後、マケドニア王国は、征服した広大な領土を
効率的に統治するシステムを構築していなかったため、
混乱が生じてしまいます。
配下の武将達によって戦争が勃発し、領土はいくつかの
国に分裂してしまったのです。
さらに彼の妻子はこの戦争の中で殺されてしまいました。

もし彼に自分を制御する能力があれば、
トランプの4人のキングの一人ではなく、
もっと遥かに大きな存在になっていたかもしれません。


人生というものは、成功をつかみかけて油断した瞬間に、
大きな落とし穴にはまってしまうことがよくあります。
そこで求められるのが、自己制御の能力です。

それは、欲望を抑えることかもしれませんし、
健康を厳しく管理することかもしれません。
あるいは強い倫理観を持つことでもあるでしょう。

また、事業が上り調子にある中で、もし経営者の身に
何か起こってしまったらどうでしょうか。
その人自身に悔いは残らないでしょうか。
残された人々のことはどうなるのでしょうか。

もしあなたが真のアントレプレナーならば、
夢を実現させるために、自分を厳しく制御することを
当然のこととして考える必要があるかもしれません。

それは自分自身のためであると同時に、周りの人のためでも
あるといえるのではないでしょうか。


◎ここで、歴史は皆さんに問いかけます・・・。

 是非、少し時間をとって考えてみてください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ・あなたにもしものことがあった場合、どのような人に、
  どのような影響が及ぶでしょうか?


 ・あなたが制御しなければならない自分の弱点は何ですか?


 ・あなたは、自分を制御することを当然と思えるために、
  アレキサンダー大王から何を学びますか?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
*参考文献:
・『アレクサンドロス大王 「世界征服者」の虚像と実像』
 (森谷公俊、講談社選書メチエ)
・『大遠征 アレキサンダーの野望』
 (マイケル・ウッド、ニュートンプレス)
・『痛快!ローマ学』(塩野七生、集英社インターナショナル)



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